神宮での好投から1週間…

　阪神の藤浪晋太郎投手（25）が18日、オセアンバファローズスタジアム舞洲で行われたファーム練習試合のオリックス戦に登板。6回から3イニングを投げて被安打5、1四球で1失点という内容だった。


　大阪桐蔭高から2012年のドラフト1位で阪神に加入したプロ8年目の右腕。高校時代はエースとしてチームを甲子園春夏連覇に導き、プロでも高卒1年目からローテーションの一角として10勝（6敗）をマーク。プロ入りから3年連続で2ケタ勝利を挙げるなど、早くから主力として活躍を見せていた。




　ところが、以降の4シーズンは制球難に苦しみ、2ケタ勝利を挙げたシーズンはなし。それどころか、昨季はわずか1試合の一軍登板に留まり、プロ7年目にして初めて未勝利に終わるなど、苦しい戦いが続いている。

　今年こそは復活を…。オープン戦では2試合に登板して1勝1敗、防御率4.50という成績。前回登板は3月11日のヤクルト戦で、この時は4イニングを投げて被安打2、四球がひとつ、5奪三振で無失点という好内容。そこから中6日空けて、この日はリリーフで調整登板に向かった。

四球は1つも被安打5で毎回ピンチ

　0－1と1点ビハインドの状況、3番手として6回の頭からマウンドに登った背番号19。先頭の西野真弘に対していきなりフルカウントとすると、最後も引っかかったような投球が内角に逸れて四球。いきなり走者を背負う展開となる。

　無死一塁から、4番の杉本裕太郎には2球連続のファウルで追い込むと、3球目を打たせて詰まらせるも、ふらふらと舞い上がった打球がライトの前にポトリ。しかし、ここは一塁走者の西野がスタートを切れず、右翼手からセカンドにボールが送られてアウト。記録は「ライトゴロ」で一死を得る。

　ところが、入れ替わった走者の杉本に盗塁を決められると、育成ルーキーの大下誠一郎に甘く入った速球を右中間へと弾き返され、これがセンターへの適時打に。打者3人で1点を失ってしまった。

　さらに続く育成ルーキーの佐藤優悟にも右安を許し、なおも一死一・三塁のピンチ。その後、盗塁で二・三塁としたが、ここまで2安打を放っている比屋根彰人は低めの変化球で空振りの三振。つづく稲富宏樹も内角の力強いボールで左飛に斬り、アウト3つでチェンジ。残ったピンチは切り抜け、なんとか最少失点で留めた。


　つづけて7回のマウンドにも登った藤浪は、先頭の小島脩平を変化球で空振り三振に斬って一死。大阪桐蔭の先輩・山足達也に対してもストライク先行の投球を見せたが、高めに浮いたボールをライトへと弾き返されて安打。その後、犠打で二死二塁とこの回も得点圏に走者を進められる。

　迎えるは前のイニングに先頭で四球を与えた西野。いきなり暴投で二死三塁とピンチを拡げたが、この日の最速156キロを計測するなどギアを上げて挑み、最後は低めのボール球を振らせて空振りの三振。意地を見せて本塁は踏ませなかった。


　8回も続投すると、先頭の杉本を1球で内野ゴロに打ち取り、前の対戦で安打を許した大下も低めのスライダーで空振り三振。テンポ良く2つのアウトを奪ったが、佐藤にはフルカウントからのスライダーが甘く入ってセンターへの安打。2打席連続で打たれてしまう。

　さらに、比屋根にはエンドランを決められ、ベースカバーに入る遊撃手の逆を突いたゴロがセンターへ。二死からの連打で一・三塁と、3イニング続けてのピンチ。ここで稲富には甘く入った変化球をうまく弾き返され、打球は右中間へ。抜ければ大量失点も…という打球だったが、ここはセンターの江越大賀が決死のダイビングでボールをもぎ取る超ファインプレー。味方の好守に助けられ、この回も無失点で切り抜けた。


　この日は3イニングを投げて打者15人に対し被安打5、四球が1つ、4奪三振で1失点。毎回走者を背負ってピンチも迎えたが、結果的には最少失点でしのいでいる。