◆ 打点にこだわる
ツバメの若き4番が復調の気配だ。20日、ヤクルトの村上宗隆が神宮球場で行われた阪神との練習試合に「4番・三塁」で先発出場。オープン戦を含めると3日のソフトバンク戦(ペイペイドーム)以来となる勝利(7-2)に貢献した。
下半身のコンディション不良から10日に一軍復帰した後は、オープン戦の打率.083と調子が上がらなかった村上だったが、この日は5打数2安打とマルチ安打をマークし、“今季初打点”も記録した。
村上らしい鋭い打球が右中間を抜けていく。5回、二死一塁の場面で阪神・エドワーズの初球を捉えて適時三塁打。“4番”として、しっかり結果を残したが、「どの打順にいても打点というのはこだわってやっていきたい」と話す。
それでも「4番に座るならよりチャンスで回ってくると思うので、その責任をしっかり果たしたい」と、主軸として今季プロ3年目のシーズンに挑む。
「もっともっとやることはありますし、これからが勝負なので、いま状態をどうこうじゃなく、しっかりやることをやりたいなと思います」
結果を残しても、いつも通り気を緩めることのない主砲は昨季、10代の記録を次々と塗り替え、36本塁打・96打点をマーク。新人王も獲得し、3年目のシーズンも大いに期待される。
◆ 「優勝することが一番の目標」
本来であれば公式戦の開幕日だった3月20日――。4番のバットから快音が生まれ、ヤクルトファンからは大きな歓声が沸き起こっていたはずだった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて公式戦の開幕は4月10日以降に延期。この日は無観客の練習試合に変更され、正式な開幕日は未定だ。
「(無観客の)こういう雰囲気で野球をやるのは初めてなので、ファンの皆さんのありがたみをすごく、試合して感じられますし、早くファンの皆さんが球場に入って、僕たちも最高のプレーをしたいと思っているので、早く開幕してくれることを願うだけです」
4番を務めてきたバレンティンが抜け、これからは村上に“真の4番”としての成長が期待される。そんな若き主砲は、来るべき20年シーズンに向けて「万全な状態で入れるように準備するだけだと思います」と力強く話す。
「優勝することが一番の目標なので、ファンの皆さんとチームのみんなで喜びたいなと思います」と言い切った村上が今季、チームを頂点へと導く活躍を見せてくれるはずだ。
取材・文=別府勉(べっぷ・つとむ)