今季はツインズでプレーする前田健太

◆ 日本人選手の戦いぶりはどうだった?

 本来であれば日本のプロ野球が開幕していたこの週末。しかし、「新型コロナウイルス」の感染拡大を受け、シーズン開幕が一時延期に。4月中の開催に向けて協議が続いている。

 見えない敵は海の向こうでも猛威を振るっており、アメリカでは国家緊急事態が宣言されるなか、メジャーリーグは開催中だったオープン戦をすべて中止に。シーズン開幕の延期も早々に決断した。

 発表当初、延期は「少なくとも2週間」というところだったが、今では全米で感染者が1万5000人を超えるなど、未曽有の事態に発展へと発展。まるで終息の見通しが立たない現状から、「5月頃」といった説のほか、「7月」までズレ込むのではという予想も出てきている。

 日本では無観客でオープン戦が行われたものの、アメリカでは現地時間12日(日本時間13日)の時点でオープン戦も打ち切りに。新シーズンに向けて調整を続けていた日本人選手たちはどんなパフォーマンスを見せていたのだろうか…。

 今回は投手の”前編”ということで、長らくメジャーの舞台で戦っている3人の投手を取り上げたい。

◆ ついに本領発揮…?

▼ ダルビッシュ有(カブス)
2試(5.0回) 0勝1敗 防3.60

 カブス加入から2年で7勝(11敗)と実力を発揮できていないダルビッシュ。それでも、昨季はオールスター前の2勝4敗・防御率5.01に対してオールスター後は4勝4敗・防御率2.76と、後半戦はエース級の投球を披露している。

 今季こそ本領発揮なるか…。期待がかかる2020年、オープン戦は2試合に登板。計5イニングを投げて7つの三振を奪っている。初登板では先頭打者にいきなり一発を浴びたものの、最速98マイル(158キロ)を計測するなど、順調な仕上がりをアピール。2イニングで6つの球種を試しながら、例年以上のハイパフォーマンスを見せた。

 2度目の登板は3回0/3を投げて被安打4、四球が3つと塁上を賑わせたが、要所を締める投球で1失点に留めている。今季は短縮シーズンとなることが濃厚だが、それでも昨季の6勝からの上積みは期待できるだろう。

◆ 安心と信頼の…

▼ 田中将大(ヤンキース)
3試(8.2回) 1勝0敗 防2.08

 この春、日本人投手のなかで最も状態が良かったのは田中将大だろう。

 初登板こそ2イニングを投げて2点を許したが、2度目の登板は3イニングを無失点、5奪三振の快投を見せた。3度目の登板も3回2/3を1安打で無失点。4奪三振と好投し、状態の良さをアピールしていた。

 計3試合に登板し、8回2/3を2失点、3安打、11奪三振というこれ以上ない結果を残した田中。特筆すべきは、四球が「0」だったこと。田中にとって制球力は生命線。特にスプリットを低めにコントロールできているときは、相手打線も手が出ない。

 レギュラーシーズンでも、そういったシーンを数多く見せられるだろうか。

◆ 新天地では先発に専念を

▼ 前田健太(ツインズ)
3試(8.2回) 0勝1敗 防2.08

 オフはドタバタ劇に巻き込まれた末、ツインズへの移籍が決まった前田健太。オープン戦での防御率2.08は、田中と全く同じ数字である。

 移籍後初登板となったレッドソックス戦では、いきなり先頭打者に本塁打を浴びたものの、その後は落ち着きを取り戻して2回1失点。無難な新天地デビューを果たすと、2度目の登板はレイズ戦。今季からメジャーで戦う筒香嘉智との対戦もあり、そこでは2打数無安打に抑えて”先輩”としての貫禄を見せた。

 また、3度目の登板では再びレッドソックスと対戦。ここでは4イニングを投げ、2安打の無失点。無四球・6奪三振とほぼ完ぺきな投球を披露した。オープン戦でいずれもア・リーグのチームを相手に好投したことは、今後の自信につながるだろう。

 ドジャース時代には突然リリーフに回ることもあったが、新天地では年間通していくつの勝ち星を挙げることができるか、注目だ。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】
1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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