「命か収益かを考えれば、命を優先することが当然」
一般社団法人・日本野球機構(NPB)と公益社団法人・日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)が共同で設立した『新型コロナウイルス対策連絡会議』が23日に都内で開かれ、専門家チームを交えて今後の方針についての意見交換を実施。この日に結論が出たわけではないが、プロ野球が最短の目標として目指していた「4月10日(金)開幕」というのは、どうやら現実的ではなさそうだ。
専門家チームの一員である東北医科薬科大学の賀来満夫氏は、WHOがパンデミック宣言を発令し、欧州を中心に流行が急速に拡大していることを受けて、「日本は幸いにもどうにか抑えている状況は間違いないが、イベントなどでのクラスター以外の感染者というのも確認されている。クラスターが続き、そこからいろいろなところに波及するとメガクラスターになる。それは絶対に避けなければいけない」と、集団での爆発的な感染拡大を何よりも注意すべきと強調。
続けて、「特に大規模イベントの開催について。多くの人が集まることはリスクがあり、該当地域の医療体制に影響を与える。屋内外関わらず、イベント前後含め、多くの方が集まってくる。全国から集まり、各地域に戻ることはリスクがある」とし、これらの理由から「現段階で早期開催は難しい、できるだけ開催日時は遅らせていただきたいと申し上げた」とのこと。「4月2日に次の専門家会議あるが、それは『現在の状況が2週間後に分かる』ということ。状況の変化を見ながら、準備期間を十分にとってしていただきたい」という見解を示し、具体的な日程については「個人的には4月後半にしていただきたいと思っている」と明かした。
NPBの斉藤惇コミッショナーも、「多くの観衆を集める興行をやっている立場としては、たくさんの方を集めることはなかなか難しい部分もある。厳しいというか、一定の提言をいただいた」と振り返り、「午後、12球団でどうしていくかを話していきたい」とコメント。
アドバイスを持ち帰り、12球団の代表者会議でさらに詳細を詰めていくとしたが、「命か収益かを考えれば、命を優先することが当然。その中で、命がどの程度プロテクトされるかを考えている」と、何よりも“安全”が最優先であることを強調。「行政が命令するなどではなく、みんなで考えることが大事。自分たちの力でどう回避できるか、自分たちで考えていきたい」と語った。