支配下登録、開幕一軍も…!?
阪神の小野寺暖選手(22)が24日、横浜スタジアムで行われたDeNAとの練習試合に代走から途中出場。2打数2安打、3打点の活躍で首脳陣にアピールした。
京都翔英高から大商大を経て、2019年の育成ドラフト1位で阪神に入団した右打ちの外野手。大学時代には2度のリーグMVPに輝いた実績を誇り、4年春には首位打者を獲得する猛打でチームの優勝にも貢献。育成契約ではあるが、稀少な右のスラッガータイプの外野手として、その将来性を高く買われている。
迎えたプロ1年目、春のキャンプから持ち前の打力でアピールを続けていくと、3月15日(日)のオープン戦最終戦では3ケタの背番号ながら“一軍デビュー”を果たし、レフトへの二塁打で初安打もマーク。その雄姿が見守った矢野燿大監督の目に留まり、開幕が延期となったことで発生した練習試合で再びメンバーに招集された。
この日は5回に四球を選んだジェリー・サンズの代走として出場すると、4-5と1点を追う7回に二死ながら一・三塁というチャンスで打席が巡ってくる。
プロ3年目左腕の櫻井周斗に対して1ボール・2ストライクと追い込まれるも、ダブルスチールが相手のミスを誘って三塁走者が生還。5-5の同点となり、二死二塁という場面からプレーが再開となると、直後の外寄りの変化球をうまく右へおっつけてライトへ。しっかり捕らえたライナー性の打球は右翼手・楠本泰史のダイブも及ばず、グラブから転がり落ちる安打に。その間に走者が還り、これが勝ち越しの適時打。ベンチに戻ると、チーム全体から暖かな祝福を受けた。
さらに9回、今度は一死二・三塁というチャンスで2度目の打席が回ってくると、オープン戦で12球団最多の3セーブを挙げた齋藤俊介が投じた真ん中の速球を思い切り引っ張り、強烈なライナーがガラ空きのレフト線へ。悠々と二者が還り、自身も二塁まで進む適時二塁打に、本人はベース上で笑顔のガッツポーズ。思わず、ベンチの矢野監督からも笑みがこぼれた。
本来であればシーズンが開幕していたはずの3月24日、ということは、本来であれば3ケタ番号の小野寺は横浜スタジアムのグラウンドには立てていなかった。それが思わぬ事情から開幕が延期となり、チャンスが転がり込んでくると、指揮官をはじめ一軍首脳陣の「もう一度見たい」というリクエストに対し、途中出場からの2打数2安打・3打点。キッチリと結果で応えて見せる。
プロ野球界がめざす新たな開幕日「4.24」まで、ちょうど1カ月。虎の背番号127はその時をどんな立場で迎えるのか。支配下登録はもちろん、開幕一軍も…?期待は膨らむばかりだ。