前日の“プロ1号”につづいて…
阪神の遠藤成選手(18)が25日、阪神鳴尾浜球場で行われたソフトバンクとのファーム練習試合に「2番・遊撃」で先発出場。前日の本塁打に続き、この日は「二塁打」「単打」「三塁打」の1試合3安打をマークする大暴れを見せた。
東海大相模高から2019年のドラフト4位で阪神に入団した期待の高卒ルーキー。昨夏の甲子園では投手としても活躍を見せた“二刀流”プレイヤーだが、プロの世界では持ち味の強打を活かすべく野手一本で勝負している。
前日の試合では、初回の第1打席にソフトバンクの板東湧梧からバックスクリーンに叩き込む“プロ1号”をマーク。高卒新人とは思えぬ驚愕の弾道は多くの虎党を驚かせたが、勢いに乗る18歳のバットはこの日も止まらない。
初回、一死走者なしで迎えた第1打席。対するは2試合連続で先発登板となった板東。3ボール・1ストライクと打者有利のカウントを作り、相手がストライクを取りに来るところを迷わずフルスイング。低めの141キロ速球を逆らわずに弾き返すと、大飛球はレフトの頭上を軽々と超えて行った。打球がワンバウンドでフェンスに跳ね返る間に、遠藤は立ったまま二塁へ到達。逆方向への力強い打球を放ち、この日もパンチ力をアピールする。
さらに続く第2打席でも安打をマークすると、0-2と2点を追う5回裏、一死一・二塁のチャンスでは、ソフトバンクの技巧派左腕・渡辺健史の甘く入った変化球をセンターへ。鋭く伸びた低いライナーは、前進守備の外野を超えて行く三塁打に。走者が2人還る適時打で試合を振り出しに戻すと、そこからチームは一挙5得点。逆転劇の口火を切った。
サイクル安打への挑戦は…!?
5回の時点で「二塁打」「単打」「三塁打」を記録。こうなれば誰もがサイクル安打の快挙に期待を抱く。
第4打席は6回裏、一死一塁の場面。前の打席で三塁打を放っている渡辺との再戦となったが、ここは低めの変化球を打たされて二ゴロ。併殺に倒れ、左腕にリベンジを許してしまう。
ラストチャンスの可能性は8回裏。一人でも出れば遠藤の第5打席というところだったが、打線が三者凡退に終わって遠藤の前でチェンジ。ネクストバッターズサークルの背番号45に大きな注目が集まったが、残念ながら打席は回ってこない。
そのまま9回表の守りは0点で終わり、6-2でゲームセット。阪神の逆転勝ちという結果で試合が終わった。
偉業達成とはならなかったものの、それでも4打数3安打で2打点という活躍は立派の一言。レベルの高いプロの投手との対戦に加えて木のバットへの対応など、乗り越えなければならない課題の多い高卒野手でありながら、1年目の3月からこれだけ実戦で戦えているというのは、チームにとっても“嬉しい誤算”だろう。
「練習試合」ということで、残念ながらこの日の活躍は公式記録には残らない。それでも、この2日間の活躍ぶりは、見る者に大きなインパクトを残した。
まずはファームでシーズン通した活躍、順調にいけば一軍デビューも…?良いスタートを切った背番号45のプロ1年目、早くも期待は高まるばかりだ。
▼ 遠藤 成(えんどう・じょう)
ポジション:内野手
投打:右投左打
身長/体重:178センチ/84キロ
生年月日:2001年9月19日(18歳)
経歴:東海大相模高-阪神(19年・D4)
[オープン戦] 2試 率.000(2-0) 本0 点0