三木新体制、順調だったチーム作り
三木肇新監督の下、新たなシーズンに臨む楽天。オープン戦を9勝4敗1分けで終えるなどチーム作りは順調に映った。
ロッテからFA移籍してきた鈴木大地、セットアッパー候補のJ.T.シャギワらとともに、新たに加わったドラフト組。1位の小深田大翔(大阪ガス)、2位の黒川史陽(智弁和歌山高)、3位の津留崎大成(慶大)、6位の滝中瞭太(ホンダ鈴鹿)の4選手は、キャンプ一軍スタートでチームに活気をもたらした。
二遊間でコンビを組むことが多かった小深田と黒川は、“コブクロ”と称されキャンプ中の実戦からアピール。小深田はオープン戦打率.227だったものの、3盗塁をマークするなど売りである機動力を披露。遊撃の守備も堅実で、オープン戦は全14試合に出場し失策はゼロだった。黒川は高卒ながら力強いスイングが魅力。オープン戦打率は.222だったが、最後の巨人3連戦で3試合連続安打をマークするなど適応力を見せた。
2年目・太田も正捕手定着へ好アピール
正捕手を狙う2年目・太田光も充実したキャンプを送った。オープン戦打率は.267だったが、武器である選球眼を生かし出塁率.353を記録。守りでもオープン戦全14試合に出場し、チーム防御率2.57の投手陣をしっかり束ねた。
内田靖人、小郷裕哉らも実戦でアピール。その中で、ひときわ目立っていたのが山崎剛から改名した山崎幹史だった。本職は内野だが、春季キャンプから外野手守備に本格挑戦。実戦の中堅守備では、難しいとされる正面へのライナーを難なく処理するなど、早くも適応力の高さをアピールしている。
課題と言われていた打撃面でも、オープン戦打率.303をマーク。さらに、全44打席で8四球を選び、出塁率.452を記録した。三木監督は二軍監督時代から山崎のプレースタイルを熟知しており、春季キャンプ中の実戦から背番号34を積極起用。三木野球の申し子としてブレイクが期待される。
投手陣は松井裕樹の先発転向もあり、ブルペン陣容に変化が。その中で、森原康平が新たな守護神候補として安定したパフォーマンスを披露。津留崎、滝中のドラフト組も開幕一軍入りをアピールした。
先発では2年目の大型左腕・弓削が台頭。オープン戦は3試合登板で防御率.2.25をマークし、開幕ローテ入りへ順調に結果を積み上げていた。
新型コロナウイルスの感染拡大で開幕時期は未だ見えないが、攻守ともに若手の台頭が目立った春先の楽天。故障で出遅れている主力選手含め、三木新監督がどんな陣容で開幕を迎えるか注目だ。