橋本、岡野、郡司は実戦で好アピール!
新型コロナウイルスの影響で未だ開幕日が確定していない2020年シーズン。当初の開幕予定日だった3月20日に向け仕上げてきた選手たちは難しい調整を強いられている。7連続Bクラスからの脱却を目指す中日は、ドラフト新人のニュースなどキャンプ中から明るい話題が多かった。開幕が不透明であるこの機会に、目立った若手選手を振り返ってみたい。
キャンプ序盤、話題を集めたのは、2年目・根尾昂と新人・石川昂弥の新旧ドラ1コンビだった。根尾は一軍キャンプに抜擢され、本職の内野だけでなく外野守備にも本格着手。石川昂は途中、左肩を痛め小休止したものの、高卒離れした豪快な打撃でファンを魅了した。根尾が参加した二軍の練習試合では、ドラ1の共闘も実現。視察した与田剛監督は「根尾と石川が並んだ打順は見応えがある。二人とも球界のスターになって、中軸を任せられる選手になってほしい」と期待を寄せた。
石川昂と同じ高卒新人では、ドラフト5位・岡林勇希の評価がうなぎ昇りだった。高校時代はエース兼4番の二刀流として活躍し、プロでは外野手に専念。二軍で迎えた春季キャンプ参加時はまだ17歳だったが、実戦の中で非凡な打撃センスを披露。早くも「大島洋平の後継者」との声も聞かれる。
実戦に入ると、即戦力として期待される大卒、社会人出身の選手が結果でアピールした。キャンプ中から正捕手争いを繰り広げたドラフト4位の郡司裕也は、オープン戦打率.357をマーク。選球眼も良く出塁率は.526を誇った。守備での出場時は失点数が目立ったが、まだチームに加わって2ヵ月。投手陣とさらにコミュニケーションを重ね、開幕延期をプラスに捉えたい。
投手陣では貴重な左腕リリバーになりそうなドラフト2位・橋本侑樹が、オープン戦、練習試合含め、ここまで6試合連続無失点と好調。先発ローテーション入りが期待されるドラフト3位の岡野祐一郎も、25日の巨人戦(練習試合)で5回無失点と好投するなどゲームメイク能力の高さをアピールしている。
二軍で目立った勝野、健康なら新人王の可能性も!?
2年目右腕の勝野昌慶も楽しみな存在だ。ルーキーイヤーの昨秋、腰のヘルニアを発症し長いリハビリ生活。復帰した今春キャンプは二軍スタートだったが、実戦でしっかりと結果を残し続けている。
現在は先発で調整を進めているが、門倉健二軍投手コーチは「リリーフで使いたいと思わせる適正もある」と所見。復帰シーズンということもあり無理をさせられない状況でもあるが、健康状態を維持できれば新人王争いに加わる可能性も十分ある。その座を橋本、岡野ら、同僚と争うかもしれない。
2年目では上述の根尾と勝野に加え、開幕ローテ入りを目指す梅津晃大、将来性豊かな大型捕手・石橋康太も楽しみな存在。一軍に欠かせない戦力になりつつある高卒3年目の山本拓実、同4年目の藤嶋健人らも含め、今春の若手の台頭を見ると2020年代は“強竜復活”を期待せずにはいられない。