リアルのプロ野球は開幕延期も…
一般社団法人日本野球機構(以下、NPB)と株式会社コナミデジタルエンタテインメント(以下、 コナミ)は29日、『プロ野球 “バーチャル”開幕戦 2020』を開催。本来であれば3月20日(金・祝)に現実のプロ野球で開催されるはずだった対戦カードが、ゲームの中で“再現”された。
世界中を混乱に陥れている「新型コロナウイルス」の影響により、プロ野球2020シーズンの開幕が延期に。それに伴い、全国のプロ野球ファンへ少しでもプロ野球を楽しむ機会を提供すべく、NPBとコナミがタッグを組んで実現したこの企画。この日はセ・リーグの巨人-DeNA、パ・リーグは楽天-オリックスの戦いが行われた。
【ルール】
・DH制=セ:なし/パ:あり
楽天(岡田郁斗)-オリックス(指宿聖也)
この『バーチャル開幕戦』では、各球団1名の代表が9イニングのフルマッチをプレー。
ホームの楽天は岡田郁斗選手が、「eBASEBALL プロリーグ」2019シーズンの"Best Proleague Player”に輝いたオリックス・指宿聖也選手を迎え撃つという構図となった。
助っ人コンビに“来日1号”!
セ・リーグとはうって変わり、ともに打撃に定評のあるプレイヤー同士の対戦となったこの試合。両者が則本昂大・山本由伸というエースピッチャーをいかにして打ち崩していくかという点に注目が集まった。
オリックスは初回、二死から吉田正尚が二塁打を放ってチャンスを作るも、4番のアダム・ジョーンズが内野ゴロに倒れて無得点。対する楽天も二死から3番の浅村栄斗が安打で出たが、4番のジャバリ・ブラッシュが三振に倒れ、両軍とも先制点のチャンスを活かせない。
0-0で迎えた3回、試合を動かしたのはオリックス。先頭の安打から一死満塁のチャンスを作ると、吉田正の内野ゴロの間に1点を先制。なおも二死二・三塁から、4番のジョーンズがレフトスタンドに叩き込む3ラン。先取りの“来日第1号”で一気に4-0とリードを広げる。
そして、今年のオリックスはこれで終わらない。続いて打席に入ったアデルリン・ロドリゲスも、快音を残して大飛球をセンターへ。ボールはそのままバックスクリーンに消えていく連続本塁打。期待の助っ人コンビが、そのパワーを見せつけた。
楽天の反撃
山本の前に沈黙していた楽天打線は、4回に奮起。
先頭のブラッシュの安打から一死一・二塁のチャンスを作ると、7番の銀次がレフト線に弾き返す二塁打。二塁走者が還り、まずは1点を返す。なおも二・三塁のチャンスから、太田光がきっちりと犠飛で追加点。序盤のうちに2点を返し、5-2と点差を縮めていく。
さらに5回には、二死から浅村がレフトポール際に叩き込む見事な一発。2点差まで迫って前半戦を終えた。
詰め寄る楽天、最終回にドラマ
楽天は6回から継投策へ。ルーキーの瀧中瞭太から7回は左腕の高梨雄平、8回は一死から森原康平と繋いでオリックス打線を封じていく。
オリックスも7回から逃げ切りを図り、7回から新助っ人のタイラー・ヒギンスにスイッチ。楽天はチャンスを作りながらあと1本が出なかったが、8回から登場してきた増井浩俊を捕らえる。
先頭のブラッシュが右中間スタンドに叩き込む大きな一発を放ち、5-4と1点差に。さらに二死ながら三塁まで走者を進めたが、途中出場の堀内謙伍が逆らわずに弾き返した当たりはレフトの正面。詰め寄ったものの、同点のチャンスをモノにすることはできない。
それでも、1点差のまま迎えた9回裏。楽天は9番から上位へ…という打線も、代わったブランドン・ディクソンを前に二者が凡退。万事休すか、と思われたところ、2番の鈴木大地が低めの速球を完ぺきに捕らえ、打球はバックスクリーン右に飛び込む起死回生の同点弾。決意のFA移籍で新たに加入した男の一振りが、試合を振り出しに戻した。
後続は倒れ、試合は規定により9回終了で5-5の引き分け。最後まで目の離せない激闘は決着つかずも、両チームともに期待の新加入選手の活躍が光った。