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北陸に歓喜をもたらした「エースで4番」の大黒柱 今こそ振り返りたい“センバツ優勝投手”

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日本ハム・平沼翔太

2015年・平沼翔太(敦賀気比)


 世界中で猛威を振るう「新型コロナウイルス」の問題によって、大会の中止が決定した今年の“春のセンバツ”。本来の予定で順調に日程を消化していれば、きょう30日は準決勝と決勝の間に設けられた休養日。あす、いよいよ王者が決まるというところだった。


 残念ながら球児たちによる激闘を見ることはできなくなったものの、毎日新聞と毎日放送(MBS)がSports naviにて展開している「センバツLIVE!」では、サイト限定のスペシャル動画を公開中。過去3大会の全99試合を振り返る『センバツ プレイバック』や、高校野球好き有名人が語る『【動画】僕の心を揺さぶったあの試合』といった特集が展開されている。

 ここでは、“2000年以降”に絞って近年の「センバツ優勝投手」に注目。今回は、2015年に北陸勢として甲子園初制覇を成し遂げた敦賀気比の平沼翔太(現日本ハム)を取り上げる。


プロ5年目、レギュラー定着へ


 今から5年前ということは、今年の大卒ルーキーたちが高校3年で迎えたのが第87回大会。たしかに記録を見てみると、法政大からドラフト2位で広島に入団した宇草孔基が、当時は常総学院のリードオフマンとして1回戦・米子北戦で大会タイ記録となる1試合5盗塁をマークしている。

 また、その常総学院を準々決勝で倒したのが、同じく法政大からロッテにドラフト5位で指名された福田光輝を擁する大阪桐蔭。宇草と福田は準々決勝でともに本塁打も放っており、2人は高校卒業後にチームメイトとなった後、今年からまた別のチームとなって同じステージで戦うことになった。


 話が少し脇道に逸れたが、その“常総学院を倒した大阪桐蔭”に対して、準決勝で11-0の圧勝を収めたのが敦賀気比。そのチームを「4番・投手」として牽引した男こそ、今回の記事の主役である平沼翔太だ。

 小学生の時代から“逸材”として注目を浴びた男は、北陸の名門に入っても早くから存在感を発揮。高2の夏には背番号1を背負って甲子園出場を果たすと、3つの完投勝利をマークするなどチームの4強入りに貢献する。

 しかし、決勝進出をかけた準決勝で平沼の前に立ちはだかったのが、その夏の頂点に立つ大阪桐蔭。現ロッテの香月一也や現広島の正隨優弥といったところが主軸を務めた強力打線につかまり、準決勝は9-15で敗戦。この夏の悔しさが男を成長させた。

 上でも少し触れているように、3年生になって“エースで4番”となった平沼は聖地へと舞い戻り、連日の接戦をモノにして迎えた準決勝、相手は前年夏に苦杯をなめた大阪桐蔭。敦賀気比は松本哲幣が2打席連続で満塁弾を放つという神がかり的な活躍を見せて序盤からリードを奪っていくと、先発・平沼も大量援護に集中力を切らすことなく、9回を一人で投げ抜いて4安打・完封。宿敵を相手にリベンジを果たした勢いのままに、頂点まで駆け上がった。


 投打両面で光るものを見せていた男だが、秋のドラフト会議では日本ハムが「内野手」として指名。本人もショートのレギュラーを目指すことを公言し、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせた。

 ファームでじっくりと鍛えられた後、2017年に一軍で初出場を果たすと、プロ4年目の昨季は73試合に出場。ブランドン・レアードが抜けた三塁を中心に、遊撃や二塁と内野の複数ポジションを守って大幅に出場機会を増加させている。

 野手の間を抜く鋭い打球がウリで、昨季は西武の十亀剣から嬉しいプロ初本塁打を記録。プロ5年目の今季は定位置獲得が期待されるところだが、オープン戦では6試合の出場に留まり無安打と不振。持ち味の打撃でアピールすることができなかった。

 若手のサバイバルレースが激化している日本ハムの内野陣。かつての“センバツ優勝投手”は野手としてレギュラー争いを勝ち抜くことができるか。同世代が大卒ルーキーとしてプロの世界に入ってきたプロ5年目、平沼にとって真価が問われる年になる。


春のセンバツ・優勝校と優勝投手

※2000年以降

2000年:東海大相模(筑川利希也)
2001年:常総学院(村上尚史)
2002年:報徳学園(大谷智久=現ロッテ)
2003年:広陵(西村健太朗=元巨人)
2004年:済美(福井優也=現楽天)
2005年:愛工大名電(斉賀洋平) ※2番手に十亀剣(現西武)
2006年:横浜(川角謙)
2007年:常葉菊川(田中健二朗=現DeNA)
2008年:沖縄尚学(東浜巨=現ソフトバンク)
2009年:清峰(今村猛=現広島)
2010年:興南(島袋洋奨=元ソフトバンク)
2011年:東海大相模(近藤正崇)
2012年:大阪桐蔭(藤浪晋太郎=現阪神)
2013年:浦和学院(小島和哉=現ロッテ)
2014年:龍谷大平安(高橋奎二=現ヤクルト)
2015年:敦賀気比(平沼翔太=現日本ハム)
2016年:智弁学園(村上頌樹)
2017年:大阪桐蔭(徳山壮磨)
2018年:大阪桐蔭(根尾昂=現中日)
2019年:東邦(石川昂弥=現中日)


※優勝投手について
諸説ありますが、ここでは主戦投手、もしくは優勝決定の瞬間に登板していた投手としています。

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