様々な調整に腐心
今週も、先週に引き続いて、夕刊フジの江尻記者においでいただいています(※4月3日の12球団代表者会議前に収録)。
深澤:プロ野球12球団は、この新型コロナウイルスの騒動で、それぞれ待機してるわけですが、みんな思惑があるでしょうね
江尻:まあ、それぞれね
深澤:先週、江尻さんは、巨人がオープン戦2勝8敗の最下位でしたが、逆にそれ(延期)が良かったんじゃないかと、おっしゃっていましたね。
江尻:これ以上悪くなりようがないのでね。データとしては、この10年間、オープン戦最下位のチームはみんなBクラスらしいんですよ。データ上はね。
ただ巨人の場合は、戦力は元々あるわけだし、逆にもう一度引き締め直してやるっていう意味ではね。前回も言いましたけど、若い投手が良かったのも、無観客試合だったから結果、良かったというのもあると思うんです。それが、オープン戦最後になったら、結局ダメで、投手のやり繰りが苦労しそうだとか、色々ある。
開幕までに、もう一回、チームをガラッと変えて、原監督はやるんだと思うんです。そういう意味では、選手達も「このままじゃヤバイな」っていう気持ちになったと思うので、僕なんかは、逆に良かったかなと思います。
深澤:どこのチームが災い転じてというのになるか、逆にいいチームがこんなはずではなかったという事もありますからね。
江尻:ありえますからね。
深澤:そういう意味では、はやく始まって欲しいですね。どの競技にも言えることですけど。
江尻:そうですね。ファンの人はオープン戦を見て、今年はあーだ、こーだって言うのを楽しみに見て、本番を見るわけですからね。今年は、ラジオ、テレビや新聞で結果を知ると思うんですけど、自分の目で見たいですからね。
深澤:選手はそれぞれ調整を計算して入ったでしょうけど、こんなになるとはね。
江尻:そうですね。でも、これはみんな平等と言えば平等ですからね。特定のチームがどうだこうだというのではないので、しょうがないです。
深澤:一番良かったのは、故障していた選手ですかね。
江尻:そうですね。故障者にとっては助かった部分もあると思います。
深澤:先週の話で、理想的には全143試合をやって、クライマックスシリーズもやって、日本シリーズは、どこの球場でもいいから、全部やりたいというのが本音だという話をしましたが、交流試合は話題に出なかったんですか?
江尻:交流試合については出てきませんでしたね。交流戦もペナントレースの中の一部ですから。
ただ、交流戦というのは、もともとパ・リーグがなくなっちゃうというから、セ・リーグが助けるためにやってあげたんです。だから、試合数だけどんどん減らして、本音だと、止めたいんですよ、セ・リーグとしては。
助けるつもりで始めたら、セ・リーグは負けてばっかりいて、だらしないと言われたり、パ・リーグは自立して、お客も入るようになったんだから冗談じゃないよ。というのが本音じゃないですかね。だけど、パ・リーグは巨人や阪神など、人気のチームと試合をやれば話題にもなる訳ですから、これは外せないのではないかと思います。
深澤:これまでシーズン最後の方の日程は、球団ではなくて、NPBが試合をやるかどうかを決定してきて、激しい雨でも、NPBが試合をやれといえば、やらなければいけなかったんですけど、今年はシーズン終盤以外でも、強引にやる試合が増えそうですね。
江尻:そうでしょうね。あとはダブルヘッダーもやるしかないかなと思います。ダブルヘッダーに関しては各球団、料金を2試合分とれないので、営業的な面でもやりたくはない。というのが本音なんですよね。ただし、本当に日程がタイトになってしまったら、やるしかないかなと思います。
深澤:僕の子供の頃にはダブルヘッダーをやっていて、第1試合・巨人-阪神、第2試合・東急-阪急とかね。4チーム一気にみられてお得なのもありました。
江尻:変則ダブルって奴ですね。今はどの試合も、そこそこ人が入るじゃないですか。昔のパ・リーグは、川崎球場なんてスタンドで流しそうめんやっているような、ガラガラでしたからね。
僕なんか、最初に東映フライヤーズの担当になって、お客さんがヤジを飛ばすと、ガラガラだからこだましちゃうんですよ、後楽園球場で。そんなのがあったけど、もう違うじゃないですか、時代が。
16球団構想には王コミッショナー!?
深澤:話は変わりますが、王さんが球団を増やせという事を提案していましたけど、あれは本気なんですか?
江尻:私のところにも、王さんが言っているんだから、何か裏があるんじゃないか!?って。王さんの事だから、何もないのに、あんな空想のような事は言わないだろうって、連絡がきたりします。
もちろん、王さんの中にはあるでしょうけど。どの野球OBに聞いても「王さん、よく言ってくれた」って言うんですよ。プロだけじゃなくて、アマチュアの選手も、子供たちだって、プロの球団が増えれば、夢が膨らむわけだから。って言っていますね。
深澤:王さんは、両リーグに、2チームづつ増やせばってね。
江尻:そうです。ただこれは、過去にも自民党が出しているんですよ、16球団案を。でも、箸にも棒にもかからなないうちに消えてしまった。でも今回、王さんが言ったから話題になった。だから、僕は文章にもしたんですけど、王さんが言ったんだから、王さんがコミッショナーになって、引っ張ってくれないとダメだって。
言い方は悪いですけど、今のNPBは野球の事が解らない人ばかりで、チームを増やすところまで持っていけない。では、これを実現するためには王さんがコミッショナーになって、そんなに長くやらなくても良いんです。年齢のこともあるので、もう2年間なら、2年間コミッショナーをやります、16チームへの道を作りますと。そこまでやらなければ、実現度はないかなと思います。
深澤:メジャーリーグは一時期、ガンガン増やしていきましたよね。景気が悪いと逆に増やしてね。日本はどうですかね、企業が昔とだいぶ変わっているじゃないですか。例えば楽天が出て来たり、DeNAが出て来たり。
江尻:これは、元コミッショナーの方が、コミッショナーの時に言ったんですけど「今、新規参入してきている企業は、古くからやっている企業と、話が合わない」と。だから、オーナー会議なんかやってもダメだと。いっそのこと、別にITリーグを作ればいいんだと。そのコミッショナーに言わせると、オーナー会議なんか、うんざりすると。話が全く噛み合わないと…。
深澤:でも最近は、楽天なんかも歩み寄ってきているし、DeNAなんかも周りから文句を言われない範囲でやっているじゃないですか。
江尻:そうするしかないですよね。伊達に長くやっている訳ではないですからね、巨人や阪神だってね。
深澤:今日はちょっと話がずれてしまいましたが、野球界で王さんに一番強いのは江尻さんで。だから、王さんが何か言うと、すぐに江尻さんに連絡しちゃうんですよ。
江尻:今回のインパクトは、非常に大きかったですよ。だから、逆に言うと王さんがプロ野球チームを増やす話を言って、OBたちも賛同していたのに、新型コロナウイルスの騒動で吹っ飛んじゃった。
深澤:江尻さん、この話題でテレビ西日本の番組にも呼ばれたそうですね。
江尻:そうなんですよ、テレビ西日本の報道番組で、16球団は本当に出来るのかっていう座談会に、達川光男さんとかプロ野球OBも何人か来て、16球団は賛成か?って聞かれて、みんな「賛成」なのに、実現性はどうなんだと聞かれると「う~ん」って。
深澤:やってみる価値はありますよね。
江尻:でも、いまのNPBじゃ無理ですって。王さんがコミッショナーにならなければ、絶対無理です。もう今回のコロナ騒動で、話題が飛んじゃったから、もう1回やり直しになっちゃったし、王さんなんかガックリきてると思いますよ。
深澤:そうか・・・。今日は、色々な話になってしまいましたが、江尻さんありがとうございました。
(ニッポン放送ショウアップナイター)
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