NPB斉藤コミッショナー「現況はむしろ厳しくなってきている」
日本野球機構(NPB)とJリーグが設立した「新型コロナウイルス対策連絡会議」の第5回目が3日、Web会議システムにて実施された。
その後、Web上で行われた会見でNPBの斉藤惇コミッショナーは「3月23日に我々NPBとしては状況が改善するという前提の下で4月24日の開幕を目指していくことを皆様にもお伝えしましたが、残念ながら現況はむしろ厳しくなってきている。このあと12球団と話し合いを持つことになりますけど、延長は覚悟しなければならない」との見解を示した。
第4回会議後には、選手から新型コロナウイルスの感染者が出たことに加え、市中での感染者が全国的に増えている現状もあり、専門家チームも「新たなフェーズに入ってきた」「開催時期は全くわからない」との認識で一致。これまで医学的な見地から開催時期を模索してきが、社会の情勢が変化してきたことも鑑み、「できるかぎり時間を延ばせるのであれば延ばしていただきたい」と要望したことを明かした。
5月末開幕は国民一人ひとりの努力次第
その上で、専門家チームから「5月末」という、ひとつの目安が提示されたが、愛知医科大学の三鴨廣繁教授は「薬剤やワクチンがあるわけではない。結局、三密を避けることを中心に、国民に活動の自粛を求めるしかないのが現実。しかし、それである程度感染が抑えられた北海道のような先例もある。そこに期待して、5月末の方であれば、その可能性があるというだけで、5月末になれば感染がなくなるというではない」と語り、「正直いつになるかは誰にもわからない。答えを言うと、国民一人ひとりの努力にかかってくる」と提言した。
専門家チームは今後も自粛の解除と自粛の要請が繰り返されていく可能性が高いことを指摘し、収束までには「数年かかるかもしれない」と主張。その中で「今はピークに差し掛かっている現状でなかなか難しいというのは共通認識だと思う。結局、今年は無理だというのは簡単だが、ひとつの期待を込めてひとつの目安を提示させていただいた」と説明し、「感染のリスクがゼロになることは当面ありえない。三密を避け、物的な準備を進めて、来場者に健康管理をしっかりしてもらうことを条件に、無観客や入場制限も視野にあると考えている」との認識を示した。
また、各球団には「人数制限をしても、球場に来るまでの交通機関やスタジアムまでの導線も含めて注意深く対応していかないといけない。当然密集するし、声を出せば感染のリスクは高まる。延期となったこの期間に、スタジアム内、スタジアムまでの導線のリスクをいかに下げられるかというシュミレーションをして、いくつかのパターンを考えてもらいたい」と要望した。
仮に開幕したとしても、その後に選手などから感染者が出る可能性もあり、そういった場合の対応も含めて斉藤コミッショナーは「専門的なご意見を賜ったうえで、12球団でルールを作っていかないといけない」と今後に向けた課題を口にした。