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「今日」もいつかの開幕日 2009年のパ・リーグは監督ラストイヤーのノムさん率いる楽天が奮闘

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2009年はノムさんが楽天を率いたラストイヤー (C) Kyodo News

まだ見えぬシーズン開幕に想いを馳せて


 世界中の人々を混乱に陥れている「新型コロナウイルス」の問題。ご存知の通り、その影響はプロ野球界にも多大な被害を及ぼしており、本来であれば3月20日(金)に開幕していたはずの2020年シーズンは依然としてスタートの目処がたたず。一時は「4月24日(金)」という目標に向けて進められていたが、ついに選手の感染も確認されるなど、事態は終息どころか悪化する一方で、今では4月中の開幕も難しくなりつつある。


 当たり前と思っていた“プロ野球がある日々”も、平穏な日常があってこそ。そんなことを再認識させられる日々が続いているが、今回はまだ見えぬシーズンに想いを馳せながら、今日=「4月3日」にシーズン開幕を迎えた過去のシーズンに注目。開幕前にWBCが開催された、2009年について振り返ってみたい。

 今回はパ・リーグ編。


▼ 2009年4月3日のパ・リーグ
日本ハム 1 - 3 楽天
ロッテ 2 - 5 西武
ソフトバンク 8 - 0 オリックス


梨田ファイターズと野村イーグルスの優勝争い


 この年、2年ぶりのリーグ優勝を果たす日本ハムと、初優勝を目指して奮闘を見せた楽天というマッチアップになった開幕カード。その初戦は、後にメジャーでも活躍する好投手による投げ合いで緊迫した展開になった。

 楽天は初回にフェルナンド・セギノールの一発などでダルビッシュ有から3点をゲット。2回以降は攻め込みながらもあと一本が出ない展開に苦しんだが、エースの岩隈久志が6回まで1失点の力投。そこからは小刻みに投手を繋ぎ、最後は左腕の有銘兼久が2イニングを投げて試合を締めくくった。

 なお、ダルビッシュは9回完投も黒星。しかし、この年は15勝5敗、防御率1.73という成績を残して自身初の最優秀防御率のタイトルを獲得。最優秀投手(※現在の最高勝率)との二冠に輝き、シーズンMVPにも選出されている。


 そんな日本ハムに食らいつき、前半戦は僅差の首位争いを繰り広げていたのが楽天。野村克也監督のラストイヤーとなったこの年に創設後初のAクラス入りとクライマックスシリーズ進出を果たしたが、開幕カードでは3連勝した札幌の地で日本ハムにリベンジを許す格好に。

 個人では山崎武司がタイトルこそ届かずも、39本塁打・107打点の活躍でベストナインに選出。鉄平は打率.327をマークして首位打者に輝いた。
 

▼ 先攻:楽天
(左)リック
(二)小坂
(中)鉄平
(一)セギノール
(三)中村
(指)山崎
(右)磯部
(捕)藤井
(遊)渡辺
先発P. 岩隈

▼ 後攻:日本ハム
(二)田中
(三)小谷野
(右)稲葉
(左)スレッジ
(指)二岡
(一)ヒメネス
(中)糸井
(捕)鶴岡
(遊)金子
先発P. ダルビッシュ

【札幌ドーム】日 1 - 3 楽
楽|300 000 000|3
日|001 000 000|1
勝:岩隈
負:ダルビッシュ
S:有銘
本:セギノール(楽)


前年王者は白星発進も…


 2008年のパ・リーグ王者で日本一にも輝いた西武は、この年からチームカラーを現在の「レジェンドブルー」へと変更。球団創立60周年を機に、新たな一歩を踏み出した。

 開幕戦では、エースの涌井秀章がしっかりと試合を作ると、切り込み隊長の片岡易之が4安打の大暴れ。新加入の清水崇行もいきなり3打数3安打と気を吐いたほか、下位に据わる“意外性の男”・細川亨とヒラム・ボカチカに揃って一発が飛び出すなど、連覇に向けて好スタートを切る。

 ところが、開幕から3カ月連続で負け越すなど不安定な戦いぶり。特にリリーフ陣が苦しむ場面が多々見られ、8月には10勝15敗1分と大きく負け越し。タイトルホルダーを見ると、沢村賞の涌井に野手タイトルは首位打者以外独占となったなか、チームは70勝70敗4分の勝率5割。Aクラスとはやや離された4位に終わった。


 ロッテはこの年から井口資仁がチームに加入。いきなり4番を任され、唯一の得点となる2点適時打を放つなど、シーズン通して打率.281・19本塁打の活躍を見せた。

 あれから早11年、引退すぐの監督就任から今年で3年目。就任後初のAクラス入りへ、今季にかかる期待は大きい。


▼ 先攻:西武
(二)片岡
(左)栗山
(遊)中島
(三)中村
(一)石井
(右)G.G.佐藤
(指)清水
(捕)細川
(中)ボカチカ
先発P. 涌井

▼ 後攻:ロッテ
(中)早川
(一)福浦
(遊)西岡
(二)井口
(左)大松
(捕)里崎
(指)橋本
(右)サブロー
(三)今江
先発P. 清水


【千葉マリン】ロ 2 - 5 西
西|000 013 010|5
ロ|002 000 000|2
勝:涌井
負:清水
S:グラマン
本:ボカチカ(西)・細川(西)


強力打線を封じ込めた和田毅


 7月に一時首位に立つも、最終的には3位でシーズンを終えたこの年のソフトバンク。開幕戦では、日本で実績を残した助っ人が4人もラインナップに名を連ねるオリックスとの対決になったが、今なお現役で奮闘中の男が快投を見せた。

 自身2度目の開幕マウンドに登った和田毅は、アレックス・カブレラと濱中治から3つ、タフィ・ローズと後藤光尊から2つの三振を奪うなど、9回を投げて14奪三振という快投。超重量打線を手玉に取り、開幕戦で完封勝利を挙げてみせる。

 ところが、5月末の登板を最後に肘の故障で離脱。シーズン最終盤に復帰は果たしたものの、最終的には4勝5敗と負け越してシーズン終了。和田が倒れたなかで杉内俊哉とデニス・ホールトン(※当時の登録は「DJホールトン」)が2ケタ勝利をマークしただけに、やはり離脱期間が痛かった。


 オリックスは“史上最強”と期待された打線が注目を集めるも、彼らがそろい踏みする時間は長く続かず。100試合以上に出場したのはホセ・フェルナンデスのみで、ローズは84試合、グレッグ・ラロッカは74試合、そしてカブレラは65試合の出場に留まった。ただし、その状況でも全員が2ケタ本塁打を達成している。

 投手陣では、前年に15勝3敗という成績で大ブレイクした小松聖がまさかの大スランプに。開幕前のWBCに参戦した反動もあってか、開幕戦・つづく2戦目と連続で打ち込まれてすぐに二軍落ち。4月中に一軍復帰は果たすも、以降も安定感に欠けた投球が続き、17試合の登板で1勝(9敗)しか挙げることができなかった。


▼ 先攻:オリックス
(三)ラロッカ
(中)坂口
(一)カブレラ
(左)ローズ
(指)フェルナンデス
(右)濱中
(二)後藤
(遊)塩崎
(捕)日高
先発P. 小松

▼ 後攻:ソフトバンク
(二)本多
(遊)川崎
(三)松田
(指)松中
(一)小久保
(中)アギーラ
(右)柴原
(左)中西
(捕)高谷
先発P. 和田


【ヤフードーム】ソ 8 - 0 オ
オ|000 000 000|0
ソ|103 030 10X|8
勝:和田
負:小松
S:なし
本:なし


2009年パ・リーグ表彰選手


<最優秀選手>
ダルビッシュ有(日本ハム)
☆2年ぶり2度目

<最優秀新人>
攝津 正(ソフトバンク)

<ベストナイン>
投:ダルビッシュ有(日本ハム)
捕:田上秀則(ソフトバンク)
一:高橋信二(日本ハム)
二:田中賢介(日本ハム)
三:中村剛也(西武)
遊:中島裕之(西武)
外:鉄平(楽天)
外:糸井嘉男(日本ハム)
外:稲葉篤紀(日本ハム)
指:山崎武司(楽天)


<最優秀防御率投手>
ダルビッシュ有(日本ハム/1.73)
☆初受賞

<最優秀投手>
ダルビッシュ有(日本ハム/.750)
☆初受賞

杉内俊哉(ソフトバンク/.750)
☆初受賞

※現在の「勝率第1位投手賞」

<最多勝利投手>
涌井秀章(西武/16勝)
☆2年ぶり2度目

<最多奪三振投手>
杉内俊哉(ソフトバンク/204個)
☆2年連続2度目

<最多セーブ投手>
武田 久(日本ハム/34S)
☆初受賞

<最優秀中継ぎ投手>
攝津 正(ソフトバンク/39HP)
☆初受賞


<首位打者>
鉄平(楽天/.327)
☆初受賞

<最多本塁打者>
中村剛也(西武/48本)
☆2年連続2度目

<最多打点者>
中村剛也(西武/122点)
☆初受賞

<最多盗塁者>
片岡易之(西武/51個)
☆3年連続3度目

<最高出塁率者>
中島裕之(西武/.398)
☆2年連続2度目

<最多安打者>
中島裕之(西武/173本)
☆初受賞

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