中信兄弟の先発は「米蘭達」
世界中を混乱に陥れている「新型コロナウイルス」の問題。日本のプロ野球がシーズンの開幕を見合わせているなか、台湾では2度の開幕延期と雨天中止を経て、12日にシーズンが開幕した。
と言っても、完全な形ではなく、球場にファンの姿はなし。観客の入場をお断りする「無観客」での開催となっている。ちなみに、この日も楽天モンキーズと富邦ガーディアンズの試合は雨のため中止となり、中信兄弟と統一ライオンズの試合のみ行われている。
そんななか、中信兄弟の開幕投手を務めるのが「米蘭達」という左腕。この文字だけを伝えられてもピンと来る方は少ないかもしれないが、実はこの投手、海外からの助っ人。その名をアリエル・ミランダという。
新天地での第一歩
キューバ出身、31歳の左腕。昨年まではソフトバンクでプレーをしていた。
2018年のシーズン途中にMLB・マリナーズから自由契約となると、ソフトバンクと契約を結んで来日。8月18日のオリックス戦で来日初登板・初先発を果たすと、その試合でいきなり来日初勝利を挙げ、そのままローテーションに定着。8試合の登板で6勝1敗、防御率1.89という成績を残している。
その後もクライマックスシリーズで先発を任され、日本シリーズで勝利を挙げるなど、ポストシーズンもフル回転でチームの日本一連覇に貢献。文句なしで2年目の契約を勝ち取り、シーズン通しての活躍に期待がかかっていた。
しかし、来日2年目の昨季は初登板で勝利を挙げるも、前年の相手を圧倒する投球というのは影を潜め、18試合の登板で7勝5敗と勝ち越しはしたが、防御率は4.19という数字。チームの層の厚さもあって、シーズン途中で二軍に降格したこともあった。
オフには来季の契約を結ばない旨が伝えられ、国内移籍も含めて去就に注目が集まったなか、年が明けて1月に台湾リーグの中信兄弟と契約したことが報じられる。
現地メディアによると、推定年俸は「50万ドル超(約5500万円)」とも言われ、これは台湾球界における外国人選手の歴代最高年俸ということでも話題に。大きな期待を受けて迎えられ、この4月12日の開幕投手という大役を任されたのだった。
野球においても、全世界的に“自粛”ムードの真っ只中にあるなか、日本よりもひと足はやく開幕した台湾リーグ。昨季までNPBでプレーした助っ人は、新天地でどんな活躍を見せてくれるのだろうか。