ニュース 2020.04.15. 17:29

「55」の壁を打ち破ったツバメの大砲【フォーカス・レコードホルダー】

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ヤクルト時代のバレンティン (C) Kyodo News

フォーカス・レコードホルダー ~本塁打(シーズン)~


 「新型コロナウイルス」の問題で未だ開幕の見通しが立っていないプロ野球。前に進むことができない今こそ、過去の偉大な記録にフォーカスを当てて振り返ってみよう、ということで始まったこの企画。

 その名の通り、過去の記録にスポットを当て、“歴代No.1”の記録を持っている選手を中心に振り返ろうというのがテーマ。今回取り上げるのは「シーズン本塁打」。早速だが、NPBの歴代トップ10を見てみよう。


▼ 歴代最高記録・本塁打(シーズン)
1位 60本 ウラディミール・バレンティン [ヤクルト/2013]
2位 55本 王 貞治 [巨人/1964]
2位 55本 タフィ・ローズ [近鉄/2001]
2位 55本 アレックス・カブレラ [西武/2002]
5位 54本 ランディ・バース [阪神/1985]
6位 52本 野村克也 [南海/1963]
6位 52本 落合博満 [ロッテ/1985]
8位 51本 小鶴 誠 [松竹/1950]
8位 51本 王 貞治 [巨人/1973]
8位 51本 タフィ・ローズ [近鉄/2003]


「60」の大台


 1964年に王貞治が打ち立てた大記録、「シーズン55本塁打」──。

 約20年後に阪神のレジェンド助っ人ランディ・バースが迫るもあと1本届かず、それから約20年後にはタフィ・ローズ、アレックス・カブレラという大砲2人が並びかけたが、超えることは叶わなかった高い壁。これを打ち破ったのが、ウラディミール・バレンティンである。


 2010年オフにヤクルトと契約を結んで日本にやって来た右の大砲。来日1年目の2011年は打率こそ規定到達者ではリーグ最下位となる.228も、31本塁打を放っていきなり本塁打王のタイトルを獲得。翌年は故障で106試合の出場に留まり、規定打席に達しなかったにも関わらず、前年と同じ31本塁打を放って2年連続で本塁打王に輝いた。

 そして迎えた2013年、この年は開幕前にWBCが開催され、バレンティンもオランダ代表の一員として4強進出に大きく貢献。しかし、激闘の代償として脚を故障。シーズン開幕は二軍で迎えている。

 それでも、徐々に調子を上げていくと、6月には月間11本塁打を放つ活躍で月間MVPも受賞。さらに8月にはプロ野球新記録となる月間18本塁打を記録して2度目の月間MVPを受賞。8月のうちに50本の大台に乗せた。

 9月に入ると厳しい攻めが増え、歩かされるシーンも増えたものの、9月10日の広島戦で前田健太から一発を放ち、54号とすると、翌日の試合で大竹寛から55号。王手から間もなく記録に並びかける。

 その後、少しの足踏みを経て、9月15日の阪神戦。ここでその瞬間が訪れる。初回、一死二塁のチャンスで巡ってきた第1打席。神宮に詰めかけたヤクルトファンはもちろん、レフト側の阪神ファンも配布されたバレンティンのお面を掲げ、その瞬間を残そうとカメラを構えて待つなか、榎田大樹が投じた速球をフルスイング。バット一閃、ボールを捕らえた瞬間にバレンティンは両手を上げ、弾丸ライナーの打球はあっという間に左中間スタンドへ。歴史が動いた瞬間、キュラソー島からやって来た助っ人がプロ野球新記録を打ち立てた。

 10月4日の阪神戦では、ランディ・メッセンジャーから60号の一発。前人未踏の領域に到達してシーズン終了。チームは最下位に終わったなか、異例のシーズンMVPにも選出されている。

 以降は2015年に故障で15試合の出場に留まり、1本塁打に終わった年があったものの、それ以外のシーズンはすべて100試合以上に出場し、本塁打も30本以上をマーク。9年間で288の本塁打を積み上げ、来日10年目となる今季から新天地・ソフトバンクでプレーすることになった。


 2014年以降、バレンティンの記録に近づいた選手はいない。それどころか、両リーグ通じてシーズン50本塁打を記録した選手も現れていない。

 昨季は西武の主砲・山川穂高が序盤にハイペースで本塁打を重ねて50本への期待が高まったが、夏場に調子を崩して伸び悩み、43本塁打でシーズン終了。2年連続で本塁打王のタイトルは獲得したものの、前年よりも本数を減らしてしまっている。

 果たして、今後「60」の壁を超えて行く選手は現れるのか…。「ホームランは野球の華」、新たな大砲の出現に期待したい。


▼ ウラディミール・バレンティン(2013)
130試合 打率.330(439-145) 本塁打60 打点131
得点94 二塁打17 三塁打0 塁打数340
盗塁0 盗塁刺0 犠打0 犠飛4 四球103 死球1
三振105 併殺打14 長打率.779 出塁率.455

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