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ロッテの選手が語る盗塁するときに意識していることは?

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ロッテの荻野貴司(左)、岡大海(右)

荻野「基本的には…」


 3月20日に開幕予定だったプロ野球は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、開幕が無期延期となった。本来であれば、プロ野球が開幕し、多くのファンが球場で熱戦を楽しんでいたことだろう。私たちも取材自粛となるなか、これまでの取材を振り返りつつ、気になったことを取り上げていきたいと思う。今回はマリーンズの選手たちに聞いた“盗塁”について。

 マリーンズの中で盗塁と言えば、昨季通算200盗塁を達成した荻野貴司に、昨季は14度の盗塁機会で失敗はわずかに1つだった岡大海。育成の和田康士朗も、今春の練習試合、オープン戦では、主に“代走”として起用され存在感を見せた。そのほかにも、中村奨吾、福田秀平、藤原恭大、高部瑛斗と、足を使える選手は多い。


 昨季、チームのリードオフマンを担い、28盗塁を記録した荻野は「基本的にはピッチャーの雰囲気をボワーンと見て、あまり集中してガッと見ない。全体の雰囲気を見て走っていますね」と、そのニュアンスを語る。

 「(スタート、スピード、スライディング)全部が大事だと思いますけど、やはりスタートで決まるのかな。また、スタートを切りやすい構えを見つけられれば、だいぶ違うと思うので、構えも大事かな」。

 もちろん、すべてがうまくいくわけではない。一塁走者のときに、一塁から二塁へ走りかけても、スタートが遅れているなと思ったら、瞬時に判断して走るのを途中でやめることもあるという。それでも、投手の全体の雰囲気を見て“イケる”と思ったら、スタートが遅れた次の球でも積極的に仕掛けていく。

 昨季でいえば、5月31日の西武戦の5回の第3打席、レフト前ヒットで出塁すると、中村奨吾の1ボール1ストライクからの3球目に一塁から二塁へ走りかけたが「スタートが遅れたので」と盗塁するのをやめ、その後、自分の中でいけると判断し、盗塁を決めたということもあった。1つの盗塁の中にも、様々な駆け引きや技術が詰め込まれている。


岡「セーフになれるように」


 昨季チーム2位の13盗塁をマークした岡大海は、スタメンで出場することもあれば、試合終盤に代走で出場することも多かった。

 岡は盗塁で意識していることについて、「いろいろ(一軍外野手守備・走塁コーチの)大塚さん、荻野さんからアドバイスをいただきながらやっています。アウトになると戦力としてマイナスになってしまう。そこはセーフになれるようにと思ってやっています」と、気持ちの部分も重要になることを強調した。

 また、岡は昨年のオープン戦で「僕は走らないといけない選手だと思っているので、そういうところでしっかりとアピールしていかないといけない」と話し、シーズンでは高い盗塁成功率を誇るなど、チームに欠かせない“足のスペシャリスト”としても活躍した。


和田はスタートを大事に


 そして、新たな“スペシャリスト”として大きな期待を寄せられている育成の和田は、常に“スタート”の重要性を口にしている。

 1年目の18年はファームで6盗塁を決めたが、失敗は7個。同年秋のキャンプで大塚明コーチからスタートとスライディングを教わり、その年のオフに行われた「2018アジア・ウインターリーグ・ベースボール(AWB)」で8度の盗塁機会で失敗は「0」と活躍。その後、「二軍のときはでたらめというか、何も根拠なく走っていた。大塚さんにも根拠をもって走れと言われたので、台湾ではそれが出せたと思います」と振り返っていた。

 シーズンでも昨季は、ファームでチームトップの23盗塁。シーズン中には「スタートの構えのところで、ちょっと揺れてみたりとか、反応しやすい姿勢を探しています」と試行錯誤していたが、失敗数は「8」と、前年よりも盗塁の成功率をあげた。

 スタートに関しては「前半に比べたら全然良くなってきている。前半よりも後半の方が、失敗が少なかった。盗塁はかなり進歩しているのかなと思います」と好感触を得ている。

 秋のキャンプでは再び大塚コーチ、伊志嶺翔大コーチから盗塁の技術を教わり、1月の自主トレでは「スタートが遅いので、少しでも速く正面に向けるようにというか。今はそういう構えの練習です」と、盗塁のスタートの練習を繰り返していた。そして練習試合、一軍のオープン戦で盗塁を決め、練習の成果を発揮した。


 その他の選手では、18年9月の取材時に、中村奨吾がスタート、スライディング、スピードの3つのポイントを意識していること、藤原恭大は昨夏に「構えというか、盗塁するときの姿勢、二塁からのシャッフルの感覚がよくなってきた。一歩目もそのぶん速く動けるので、よくなったかなと思います」と話していた。

 マリーンズは昨季リーグ2位の642得点、ZOZOマリンスタジアム本拠地移転後最多の158本塁打を放ったが、盗塁数は18年の「124」から「75」に減少した。“打って走れる”いやらしいチームになるためにも、俊足選手たちの盗塁や次の塁を狙う意識がカギを握ることになるだろう。


文=岩下雄太
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