フォーカス・レコードホルダー ~打点(シーズン)~
「新型コロナウイルス」の問題で未だ開幕の見通しが立っていないプロ野球。前に進むことができない今こそ、過去の偉大な記録にフォーカスを当てて振り返ってみよう……ということで始まったこの企画。
その名の通り、過去の記録にスポットを当て、“歴代No.1”の記録を持っている選手を中心に振り返ろう、というのがテーマ。今回取り上げるのは「シーズン打点」。早速だが、NPBの歴代トップ10を見てみよう。
▼ 歴代最高記録・打点(シーズン)
2位 153点 ロバート・ローズ [横浜/1999]
3位 147点 今岡 誠 [阪神/2005]
4位 146点 藤村富美男 [阪神/1950]
4位 146点 落合博満 [ロッテ/1985]
6位 144点 タイロン・ウッズ [中日/2006]
7位 142点 藤村富美男 [阪神/1949]
8位 136点 トニ・ブランコ [DeNA/2013]
9位 135点 西沢道夫 [中日/1950]
9位 135点 野村克也 [南海/1963]
1シーズンに3つのレコード
打点のシーズン記録は、2リーグ制が始まった1950年に打ち立てられたもの。70年経った今なお破られていない大記録を打ち立てたのが、伝説の大打者・小鶴誠である。
1リーグ時代は中日の前身にあたる名古屋軍でキャリアを歩みだし、1948年からは日本ハムの前身にあたる急映フライヤーズに移籍。1949年にはロッテの前身のひとつと言われている大映ユニオンズへの移籍を経て、2リーグ制がはじまった1950年から松竹ロビンスに移った。
日本プロ野球における“トリプルスリー第1号”である岩本義行らとともに「水爆打線」と呼ばれた強力打線の中核を担い、当時は史上初だったシーズン50本塁打も達成。130試合の出場で打率.355(516-183)・51本塁打・161打点という凄まじい成績を残している。
ちなみに、この年は得点が「143」、塁打数は「376」で、この2つも未だに破られていないプロ野球記録。なんと1シーズンに3つの記録を作り、それが70年経った今でも更新されずに残っているのだ。
自身の勝負強さはもちろんのこと、味方が塁にどれだけいてくれるかにも左右される“打点”という記録。2020年代にこの記録を破る瞬間は見られるだろうか。
▼ 小鶴誠(1950)
130試合 打率.355(516-183) 本塁打51 打点161
得点143 二塁打28 三塁打6 塁打数376
盗塁28 盗塁刺8 犠打0 犠飛--- 四球89 死球1
三振53 併殺打16 長打率.729 出塁率---