オンラインで首脳陣から指導を受けるDeNAのドラ1・森敬斗選手

◆ IT企業の面目躍如!?

 DeNAは18日、ファームの施設「DOCK OF YOKOSUKA BAYSTARS」におけるリモート指導の活用方法を、オンラインミーティングアプリ「ZOOM」を使用して紹介した。

 現在、新型コロナウイルス感染拡大の防止を目的として、選手によって球場や日にち、時間帯などを分け、現状5月6日までは自主練習を行っていくDeNA。首脳陣やスタッフも必要最小限の人員で対処している。

 そんな現状の中、昨年新築されたばかりのファーム施設「DOCK OF YOKOSUKA BAYSTARS」ではリモートにて指導ができるように、練習風景のライブ配信、ビデオ通話を活用し、コーチ陣と選手を遠隔で繋ぎ、指導にあたっている。

 この新しい取り組みについて、チーム戦略部部長の壁谷周介氏が説明。コーチにPCやiPadを支給し、動画や様々な分析結果を常日頃から指導に利用しているベイスターズは今回、『YDBリモートワークインフラ三種の神器』と位置付けている、ビジネスチャット「Slack」と、オンライン会議システム「ZOOM」、さらに「DOCK映像システム」をフル活用しているとのこと。

 チーム統括本部内やコーチ含めて「Slack」のチャットで情報を共有し、選手とコーチのミーティングや、画像配信による指導などを「ZOOM」で行っている。また、「DOCK映像システム」は、DOCK内にある試合・練習撮影用に特化した固定カメラ26台と、横須賀スタジアムにある15台、計41台のカメラを駆使して、ほぼ全ての練習内容を記録。ライブやアーカイブ映像をクラウドで共有しコーチが確認して選手の指導を行っている。

◆ リモート指導とは!?

 具体的な活用例としては、バッティング、走塁、守備、ブルペンでの投球練習などのライブ映像やクラウドにアーカイブしてある素材をコーチが確認し、それらの情報を元に、主に寮生の選手に対して日々コーチがリモートで指導をしていく。指導内容などの情報は翌朝、三浦二軍監督やコーチ、スタッフがリモートミーティングで共有する。

 プレーに関する技術面だけでなく、ウエイトトレーニングやエクササイズの様子も、アスレチックトレーナーやコーチがリモートで指導。自主練習中ということで、活動量や練習量が減ることが危惧されるため、アスレチックトレーナーが定期的に選手の体組成データを計測し、リモートでフィードバック。必要に応じてトレーニングや食事に関するアドバイスを送り、コーチとはフィジカルに関する認識を合わせているとのこと。

 数名いるリハビリ組に関しても、コーチ、リハビリ担当のトレーナーが投球プログラムをチェック。昨日もDOCKで田中健二朗投手の確認が行われた。

 また、今までスタッフがサポートしながら使用していたブラストモーション(※スイングスピードや軌道、手首の動きなどを測定するバットのグリップエンドに装着する機器)を、選手が自主的に活用。データをリモートで集積し、コーチや選手自身のスマートフォン等で確認できる。現在、寮生の一部とルーキー全員が活用中だ。

◆ 伸び盛りのスター候補生に対して

 チーム運営グループのリーダーである桑原義行氏は、ファームに特化した今回の取り組みについて「チームとして選手の育成を止めることはできない」との思いを語る。だからこそ、「今あるインフラを利用して、1週間ぐらいの準備期間を経て3月下旬からスタートさせた」という。

 現在は「コーチが1日1人は出勤し、全体を監督。朝のミーティングで各選手のチェックを担当コーチに振り分ける」といった流れで、リモートワークを実行しているとのこと。最初は「オンラインツールに慣れていなかったが、開始してからはスピード感があって苦労なく浸透してきた。対面できない状況だからこそ、コーチがそれぞれいまできることを考えてくれている」と、手ごたえを口にする。

 大村巌ファーム打撃コーチも「リモートで練習を確認できるとともに、選手の状態も把握できる」と語り、「振りかえりでは、選手が自身の目的、実行、反省、課題のサイクルを意識するようになり、内面的な成長を感じている」と、満足感を示した。「直接会ってコミュニケーションを取る機会は少ないですが、引き続き活用していきたい」と、今後も上手く活用していく考えだ。

 ドラフト1位ルーキーの森敬斗は「自主練習期間でも、監督・コーチの方々に練習している姿を確認していただけることはうれしい。すぐに質問できる環境ではないので、コーチとの振り返りでは、1日の課題、目標を決め、それに対してどのようにアプローチできたのかなど、今まで以上に1日1日を大切にするようになりました。(不在時は)より(課題を)明確にしないと時間が無駄になってしまう。課題に取り組む意識はより高まっていると思う。自分で考え行動することが身につく良い期間になる」と、前向きにとらえている。

 親会社がIT企業ということもあり、様々なテクノロジーを駆使して結果を追い求めていくことは得意分野。使えるツールを上手に活用し、この苦境を乗り越えていく。 

取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)

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ベースボールキング編集部

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