12球団「最後の○○」
「新型コロナウイルス」の問題で未だ開幕の見通しが立っていないプロ野球。前に進むことができない今こそ、過去の記録にフォーカスを当てて振り返ってみよう、ということで、各球団“最後のタイトルホルダー”を振り返るこの企画。
タイトルホルダーを多数輩出するチームもあれば、部門によっては長らく遠ざかっているチームも…。今回取り上げるのは「最多盗塁」。まずはセ・リーグ6球団から見てみよう。
最も遠ざかっている球団は…
巨 藤村大介(2011年/28個)
De 梶谷隆幸(2014年/39個)
神 近本光司(2019年/36個)
広 田中広輔(2017年/35個)
中 大島洋平(2012年/32個)
ヤ 山田哲人(2018年/33個)
ここ数年は広島・田中広輔、ヤクルト・山田哲人、中日・大島洋平が中心となってタイトルレースを展開してきたセ・リーグ。昨年は「超積極野球」を掲げていた阪神のルーキー・近本光司が、山田の連覇を阻止する格好で初タイトルを獲得した。
最もブランクがあるのは、2011年に藤村大介がタイトルを獲得した巨人。球団史を振り返ればV9時代のリードオフマン・柴田勲がタイトルを乱獲した時代もあったが、近年はタイトルに縁がなく、トップレースから遠ざかっている。
ちなみに、巨人の昨季のチーム内盗塁王は15盗塁を記録した増田大輝だった。昨季は代走・守備固めでの出場が多かっただけに、レギュラーポジションを獲得できればタイトルレース参戦の可能性も高まるが、まずはチーム内でのポジション確保が目先の目標だろう。
なお、2リーグ制後のチーム別タイトル獲得回数は、高橋慶彦、野村謙二郎、緒方孝市らが活躍した広島が18回でトップ。以下DeNA(13回)、巨人(12回)、中日・ヤクルト(11回)、阪神(8回)と続いている。
12球団最長のブランク
▼ パ・最後の『盗塁王』
西 金子侑司(2019年/41個)
ソ 本多雄一(2011年/60個)
楽 聖澤 諒(2012年/54個)
ロ 西岡 剛(2006年/33個)
日 西川遥輝(2018年/44個)
オ 糸井嘉男(2016年/53個)
パ・リーグで最もタイトルから遠ざかっているのはロッテだ。2006年の西岡剛(33盗塁)以来、13シーズンもの間「盗塁王」に届いておらず、これは12球団で最長のブランクとなっている。
近年では2018年に中村奨吾がリーグ2位の38盗塁、昨年は荻野貴司がリーグ4位の28盗塁を記録。盗塁技術に長けた福田秀平もFA加入し、決して獲得不可能な個人タイトルではないが、パ・リーグは日本ハム・西川遥輝、西武・金子侑司がタイトルレースの中心だ。今季こそ彼らの牙城を崩すことができるか、ロッテ野手陣の奮闘に期待したい。
次にタイトルから遠ざかっているソフトバンクは、周東佑京が昨季リーグ5位の25盗塁を記録したが、彼のポジションは「代走」だった。レギュラーポジションを掴み取る打力を身につければ、“最後の盗塁王”本多雄一の年間60盗塁を超える爆発力も秘めているはず。自身の強みを最大限に発揮するためにも、弱点克服が待たれる。
なお、2リーグ制後のチーム別タイトル獲得回数では、阪急時代の福本豊の13連覇が輝くオリックスが最多の25回(※近鉄6回)。南海時代の1960年代に広瀬叔功が5連覇したソフトバンクが17回で続き、以下西武(11回)、ロッテ(9回)、日本ハム(5回)。楽天は聖澤諒が球団史上唯一の盗塁王となっている。