新人時代は体が細かった?
3月20日に開幕が予定されていたプロ野球は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で無期延期となっている。5月中の開幕を断念し、交流戦の中止が決まり、いつ開幕するか分からない状況だ。
国民の多くが“STAY HOME”を守っているなかで、マリーンズファンの皆様は過去の試合映像を観る時間がこれまで以上に増えているのではないだろうかーー。過去の映像を観ているなかで気になることの1つに、多くの選手がルーキー時代は体が細いことが挙げられる。
今ではガッチリしている中村奨吾も、新人時代の15年はかなり細かった。体を大きくするために何かやっていることはあるのか質問すると、中村奨は「体を大きくしようと思ってやっているわけではないですけど、しっかり食べて、しっかりトレーニングをしてということをしていたら体重も増えましたし、体も大きくなりましたね」(19年3月取材)と、教えてくれた。ちなみに19年シーズンに向けたオフの自主トレでは、体重を6キロ増やしている。
昨年プロ1年目だった高卒の藤原恭大、山口航輝も体づくりを行い、プロの体になってきた。藤原は1年目の昨季、体を大きくすることを目標にトレーニングを積んだ。その成果は打球にもあらわれており、昨年11月に行われたロッテ浦和球場での秋季練習の打撃練習では、鋭い打球が増え、打球の飛距離もアップ。
堀幸一二軍打撃コーチは昨年11月の取材で、藤原の打撃について「振る力はついていると思いますよ。まだまだですけど、プロの体になりつつあると思いますね。体ができているということは、確率がだんだんよくなってきていることだと思いますね」と分析した。
山口も体重が増えたことで、パワーがついたと話し、昨季6月の取材で「ウエイトトレーニングは週4回。上、下あるので、ウエイトトレーニングは結構やっています」と明かしていた。
高卒投手は徹底した体づくり
投手陣はプロ野球選手としての体を作るため、主に高卒1年目の投手はランニングやウエイトトレーニング、体幹トレーニングなどを徹底的に行っている。
今季から背番号18を背負う二木康太は「(プロ入り時)自分の場合はすごく細かったので、体重を増やしてそれを第一にしてやっていました。まず投げるというよりも、しっかり体を大きくしていこうということでやっていました」と話し、プロ入りから約20キロ体重が増えたとのことだ。
今季5年目の成田翔も、プロ入り時はかなり細かったが、10キロ近く体重を増やし現在は78キロ。体づくりをして体重が増えたことで、「(球に)強さが出てきたと思う」と効果を実感する。「体重は秋のときから現状維持の感じでキープできている。78がベスト体重だと思っているので、維持してできれば。しっかり1年間投げ抜きたいと思います」と今年の1月にこのように意気込んでいた。
種市篤暉は入団時78キロだったが、19年8月21日の取材時点で体重は87キロ。プロ入り1年目のオフから昨年1月の取材までは、体重90キロを目標にトレーニングを積んできたが、昨年4月の取材で「今は体重を増やすというよりは、筋量を増やすようにしていています」と明かした。
今年の1月に「3年間は体づくり。昨季シーズン中は筋量を増やすと話していましたが、今はどうなのですか?」と質問すると、種市は「今年が一番やっていますね。部位に分けて、上半身、下半身とかじゃなくて、1日肩とか、1日胸とか、長くやるというより短時間でインターバルをとって思いっきりやるという形にしています。筋肉の出力をあげるだけを考えてやっています」と教えてくれた。
昨年10月のフェニックス・リーグで自己最速の153キロを計測した土居豪人は、今年1月の時点で体重は95キロ。高校生のときが76キロだったと話しており、この1年弱で約20キロ体重が増えたことになる。ちなみに、土居は体重100キロを目指しているとのことだ。
どの選手も、プロ入り1年目に比べると、プロで戦う体にするため当然ながら体がガッチリしている。体が大きくなっているのは、コツコツと継続してトレーニングを積む日々の努力といえるだろう。
文=岩下雄太