日本人右打者最多のシーズン110四球
同一シーズンでの“打率3割・30本塁打・30盗塁”超えを過去3度達成し、「ミスター・トリプルスリー」の異名を持つヤクルトの山田哲人内野手(27)。昨シーズンも35本塁打、33盗塁と2部門はクリアしたものの、打率が.271で4度目の偉業達成とはならなかった。
一方で、四球数は両リーグ最多の110四球を奪取。この数字はシーズン自己最多記録でもあり、右打者では歴代3位に君臨する偉業。上位2名は、2007年に中日でプレーしていたタイロン・ウッズの121四球、2014年に楽天でプレーしていたアンドリュー・ジョーンズの118四球で、日本人の右打者に限ると歴代最多記録だ。
よって2019年は、打率こそ.271だったものの出塁率は.401をマーク。2018年も106四球を記録するなど四球数は年々増加傾向にあり、その選球眼を武器に通算での出塁率も4割台(.401)をキープしている。
盗塁成功率は2019年どころか通算でもトップ!
走塁面では盗塁成功率が際立つ。昨年8月23日、阪神戦(神宮)の初回に二盗を決め、プロ野球新記録となる33連続盗塁成功を達成。同年9月14日のDeNA戦(横浜)で二盗に失敗するまで、その記録を38連続まで更新した。
盗塁王は阪神の近本光司(成功36、失敗15)に譲ったが、成功率.917(成功33、失敗3)は、同.833(成功25、失敗5)のソフトバンク・周東佑京や同.804(成功41、失敗10)の西武・金子侑司らを上回り両リーグトップだった。
通算成功率.875(成功168、失敗24)も、150盗塁以上を記録してる選手の中ではNPB史上歴代1位。2位は日本ハムの西川遥輝で.866(成功245、失敗38)、3位はオリックス時代のイチローで.858(成功199、失敗33)。ちなみに「世界の盗塁王」の異名を持つ福本豊の成功率は.781(成功1065、失敗299)だ。
高津新監督は山田を2番で起用する方針
上記の選球眼と走塁スキルに加え、通算打率.297、202本塁打の打棒も備えるミスター・トリプルスリー。その得点能力を最大限に生かすため、今季から一軍を指揮する高津臣吾監督は、山田を2番で起用する方針を掲げている。
強打者の2番起用は、得点創出という観点から今やメジャーでは当たり前。昨季セ・リーグを制した巨人も、坂本勇人を2番に配し5年ぶりの優勝を手繰り寄せた。
新生・ヤクルトの目玉になりそうな「2番・山田」。ソフトバンクへ移籍したバレンティンの穴埋めも含め、新打線がどこまで機能するのか開幕が待ち遠しい。