ニュース 2020.04.26. 11:00

華々しいデビューから12年 ロッテ・唐川、あのストレートを目指して…

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ロッテ・唐川侑己

プロ初白星


 今から12年前の2008年4月26日。

 ロッテの唐川侑己がプロ初登板・初先発となったソフトバンク戦、7回を92球、3安打、5奪三振、無失点に抑えて、“平成生まれ”のプロ野球選手として勝利投手第1号になった。


 新人時代に投げていたストレートは、浮き上がっているようにも見え、そのボールにマリーンズファンは心を躍らせた。あれから12年が経ち現在30歳の唐川。今年の春季キャンプで、ストレートをブルペンで投げ込んでいた唐川に練習後、「新人時代の動画を見ていて、ホップするようなストレートを投げていてワクワクしました。今もそういうボールを投げたいという思いはあるのでしょうか?」とぶつけてみた。今、振り返ればかなり失礼な質問だ。

 唐川は嫌な顔をすることなく、次のように答えてくれた。「そうですね。初速と終速の差をなくしたいというのはありますし、そこを目指して体の使い方であったり、イメージを意識しています。スピードはそんなに変わらないんじゃないですか。1年目のときは、いいストレート投げていましたよね」。今も当時のようなストレートを投げたいという思いを持っている。

11年に12勝


 唐川のプロ入りからの成績を振り返ると、1年目の08年に5勝を挙げ、翌09年はわずかに規定投球回に到達しなかったが143回1/3を投げた。4年目の11年には2桁12勝をマークし、プロ4年間で28勝。

 12年以降は8勝、9勝、4勝、5勝となかなか2桁勝利の壁を超えることができず、新人時代に伸びのあったストレートも130キロ台前半で、痛打される場面も多くみられた。数字にも顕著に表れ、15年のストレートの被打率は.330(115-38)。防御率もプロ入り後ワーストの6.32だった。

 15年秋に二軍の投手コーチにアドバイスをもらいながら、ボールの強さ勢いを求めて取り組み、16年3・4月は二軍戦6試合に先発し、5試合で6イニング以上を投げ、「真っ直ぐの強さに手応えを感じていた」(唐川)。

 満を持して臨んだ同年5月6日のオリックス戦では初回、西野真弘に投じた 初球はボールとなったが、ストレートのスピードは144キロを計測。この日は140キロ台を連発し、最速は146キロを記録した。「真っ直ぐでファールを取ったり、押し込んだりして投げることができたので、プラン通りできた」と試合を振り返り、敗戦投手になったものの、7回を2失点に抑え、15年秋からの取り組みに手応えを感じていた。

 同年8月11日の楽天戦では「ここずっと活躍できていない中で、何とか踏ん張って完封できたことは収穫」と11年6月28日以来となる完封勝利を挙げ、9回には144キロを記録した。

 この年6勝を挙げ、翌17年はさらなる活躍が期待されたなかで5勝。18年は一軍で先発し安定した投球をしながらも、突如失点する場面が目立ち、なかなかローテーションに定着することができなかった。

 ただ、投げているストレートは素晴らしかった。本人も18年6月13日の取材で「ずっと状態は良いと思います。上でも良いピッチングできるイニングとか、全体的にはそんなに悪くない。要所で取られたりとかが多い。今年(18年)に関しては、ほぼそれなので…。そこら辺が結果として大きく現れるところなので、そこが今の課題」と話していた。

カットボール主体の投球に


 そんななかで、この年の夏場にリリーフへと配置転換。「(カットボールを中心に投げる)そういう決意をしたわけではないですけど、1イニングだけなので、自分の自信があるボールを投げている感じです」とカットボールを主体にした投球に変更。夏場以降リリーフで存在感を示し、21試合に登板して防御率は驚異の0.36、13試合連続無失点でシーズンを終えた。

 18年は開幕から7試合連続無失点に抑えたが、4月20日の西武戦で4点を失い初失点を喫する。シーズンを通して0で抑える試合は多かったが、「何か自分のミスが絡んでいる。自分のミスが絡まないで大量点を取られるということは、なかなかないと思うので、防げるホームランだったり、連打ですよね」と突如として大量失点を喫してしまうことが何試合かあった。

 シーズン自己最多の40試合に登板したが、「中継ぎで最初は8回を任されて、チャンスはあった。出だしは良かったのですが、終盤の連戦が続くところで上手くチームの力になれず、悔しいシーズンになりました」と満足のいくシーズンを送れなかった。

 プロ13年目を迎える今季は先発に再挑戦する予定だ。リリーフの時はカットボールを中心に投げていたが、今年の春季キャンプでは力強いストレートを多く投げ込んだ。

地元出身投手として期待


 華々しいデビューから12年。将来のエースとして期待された背番号19は、試行錯誤しながらこの12年で多くの経験を積んだ。マリーンズファンも、エースとして期待を寄せたり、時には厳しい言葉を送ったり、唐川の投球に一喜一憂しながら歩んできた。

 ここ数年の唐川は、先発、リリーフでもしっかりと抑えているが、突如として大量失点するなど、もったいない投球が多い。そこにもどかしさを感じているのは唐川本人だけでなく、ファンも同じ気持ちだろう。

 地元千葉県出身で、ドラフト1位の高卒でプロ入りした投手。今でも多くのマリーンズファンが、まだまだこんなものじゃないと“背番号19”に期待を寄せる。12年前のデビュー戦を超えるようなインパクト、投球を見せてくれることを信じている。

文=岩下雄太

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