あなたの“イチオシ”教えてください!
「新型コロナウイルス」の問題により、シーズン開幕が見合わせとなっているプロ野球。23日には無観客開催での開幕を目指していく方針が確認され、開幕日は早くとも6月中旬以降となる見込み。具体的な日程については、5月11日に再度協議することも決まった。
ベースボールキングでは、この開幕延期の期間を利用して全野球ファンに向けたアンケートを実施中。「プロ野球・2020年シーズン あなたの“イチオシ”教えてください!」と題し、開幕が実現した暁にはこの選手のこんな活躍が見たい、今年の我が軍はココを見て、こんなことが起こると良いな……といった2020年の注目ポイントを募集している。
ユーザーの方からお送りいただいた声を基に、今回はヤクルトの高梨裕稔投手(28)について取り上げたい。
2016年にパ・リーグ新人王に輝いた右腕も、2018年の12月にトレードでヤクルトへ移籍。新天地での1年目は開幕ローテに入って移籍後初登板を勝利で飾るも、最終的には5勝7敗で負け越し。シーズン途中からは中継ぎに転向するなど、思うような活躍を見せることができなかった。
それでも、ヤクルトファンからは「慣れが見込める2年目に期待!」との声が。思えば、新人王を獲得したのも“デビュー2年目”のことだっただけに、今年は注目のシーズンになりそうだ。
“移籍2年目”の快進撃を
1991年6月5日生まれ、右投右打の投手。千葉県立土気高から山梨学院大という歩みはいわゆる“王道”ルートではないものの、大学4年時に参加した大学日本代表の合宿でプロ注目選手をことごとく抑える好投を見せ、一躍ドラフト戦線に浮上。2013年のドラフト会議で日本ハムから4位で指名を受け、晴れてプロ入りを果たした。
1年目はファームで17試合に登板。勝ち負けは1勝8敗も経験を積むと、2年目にはイースタン2位の11勝をマークして一軍デビューも経験。一軍では2試合の登板で0勝1敗、防御率3.68と初勝利を挙げることはできなかったが、一歩ずつ着実にステップを踏んでいく。
すると、迎えたプロ3年目にブレイク。当初はリリーフとして好成績を残していくと、交流戦期間中の6月からは先発へ。6月8日の広島戦で先発での初勝利を記録すると、そこから先発14戦で8勝負けなしという圧巻の投球を披露。終わってみれば10勝2敗1ホールド、防御率2.38という好成績を残してチームの大逆転Vに貢献。パ・リーグ新人王にも選出された。
しかし、その後は7勝7敗、5勝7敗と徐々に白星を減らしていき、2018年オフの契約更改直後に突然のトレードが決定。内野手の太田賢吾とともに、秋吉亮・谷内亮太と入れ替わる形でヤクルトへと移ることになる。
新天地での出だしは快調で、期待通りに開幕ローテーション入りを果たすと、開幕3戦目の3月31日・阪神戦で移籍後初登板初勝利をマーク。チームに2019年の初勝利をもたらしたが、交流戦あたりから勢いに陰りが見られ、夏場にはリリーフに転向。年間通してローテの座を守ることはできず、前年と同じ5勝7敗、防御率はキャリアワーストの6.23に終わった。
加入1年目は投手陣の救世主となることができなかったが、この2020年はキャンプから好調をキープ。“投手陣再建”を掲げる高津臣吾新監督に猛烈なアピールを見せると、オープン戦でも2試合・8イニングを投げて1失点、自責はゼロという快投を披露。2年連続の開幕ローテ入りをほぼ手中に収めていた。
今すぐにでも開幕を……という状態のなかで開幕が延期となってしまったのは残念だが、“デビュー2年目”の2016年のように、“移籍2年目”の快進撃は見られるのか。今からシーズン開幕がたのしみだ。
高梨裕稔・プロフィール
ポジション:投手投打:右投右打
身長/体重:187センチ/90キロ
生年月日:1991年6月5日
経歴:土気高-山梨学院大-日本ハム(13年・D4)-ヤクルト
[昨季成績] 21試(78.0回) 5勝7敗 防御率6.23
[通算成績] 100試(422.1回) 27勝24敗 防御率4.03