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「高校野球脳を鍛える 実戦プレー問題集」にチャレンジ!(初級編:問題2)

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オンラインミーティングの題材にしよう!
昨年6月に発売されたこの本では、実際にあったプレーを挙げながら、考え方、守備位置、カバーリング、ルール等を初級、中級、上級に分けられた全120問を徹底解説しています。内容は高校野球向けですが、小学生、中学生たちにも学べる内容がたくさんあります。今回は初級編の中から「初回の先頭打者」に関する出題です!




初級編|問題2


問題


打つべきでしょうか、待つべきでしょうか?

【場面・状況】
初回、先頭打者、カウント3-0

 

解答・解説


100パーセント待つべきです。
どんな投手でも立ち上がりは不安なもの。不安な上に、まだ1球もストライクが入っていないのです。投手だけでなく、守っている野手も、ベンチの監督も「今日は大丈夫か?」と不安になっている状況。そんなときにわざわざ打つ必要はありません。打つなら1ストライク後でも遅くないのです(立ち上がりが悪い傾向のある投手相手の場合ならなおさら)。
初回の先頭打者が3-0から凡打になれば、相手は「助かった」ち喜び、ホッとします。どんな投手も一つストライクが入るまで、一つアウトを取るまでは不安なもの。AKB(相手の心理を考えるベースボール)をするなら、打つ場面ではありません。自分の気持ち(打ちたい)よりも相手の気持ち(不安)を優先する場面です。

 

【実際にあったプレー】


2015年センバツ1回戦・二松学舎大付対松山東戦。二松学舎大付のエース大江竜聖はストライクが入らず、3-0になりました。ところが、4球目。松山東の1番・清水智輝は打ちにいきました。理由は「3ボールなので入れてくるだろうと思った。自分は積極的に打っていくタイプ。ヒットで出て流れをつくろうと思った」。
ファウルになり、結果的には四球で出塁しました。

この他によくあるのが、リードされて迎えた最終回の先頭打者がカウント3-0から打つこと。打った選手に話を訊くと、100パーセント「フォアボールで出るよりヒットで出た方が勢いがつくと思った」と言います。が、はたしてそうでしょうか? 守備のときは、監督から「先頭打者のフォアボールは絶対ダメ。フォアボールを出すくらいなら打たれた方がいい」と言われませんか?

2017年のセンバツでも盛岡大付に9回表、0-5とリードされた状況で智弁学園の福元悠馬が3-0から打ちました。結果はヒットでしたが、盛岡大付の関口清治監督はこう言っていました。「ピッチャーの三浦(瑞樹)はフォアボールから崩れる不安がある子。フォアボールの方が嫌でした」。その証拠に、カウント3-0の時点で自分の横に伝令に行かせる選手を用意していました。守備のときは四死球を嫌がるのに、攻撃の時はそれを忘れてしまう。AKBを心がければ、相手が嫌なのはどちらかがわかるはずです。

打つ野球の時代になり、初球やファーストストライクから積極的にスイングしていくスタイルになりました。ファーストストライクの方が甘い球がくるため、それ自体は正しい考え方です。だからといって、いつでもファーストストライクを打つのはおかしい。それは、頭を使っていない”思考停止”状態です。毎回、場面や状況が違うわけですからね。
いくら積極的といっても、3-0ならいつでも打っていいわけではありません。打っていいのは、チャンスで主力打者が打席に立ったときぐらいでしょう。もちろん、狙うのは甘い球のみ。3-0から打つと決めていて、難しい球に手を出すケースも珍しくありません。JK(状況を考える)で相手を助けることがないようにしたいものです。

 

『高校野球脳を鍛える 実戦プレー問題集』(田尻賢誉/竹書房)


昨年6月に発売されたこの本では、実際にあったプレーを挙げながら、考え方、守備位置、カバーリング、ルール等を初級、中級、上級に分けられた全120問を徹底解説しています。


著者


田尻賢誉(たじり・まさたか)
1975年兵庫県生。学習院大学卒。ラジオ局勤務を経てスポーツジャーナリストに。高校野球をはじめ、徹底した野球の現場取材に定評があるほか、指導者、中高生、父兄への講演活動も行っている。『機動破壊』、『機動破壊の秘策』、『機動破壊の解析力』、『高校野球は親が9割』、『超強豪校』、『激戦区を勝ち抜く方法』(すべて小社)など著書多数。
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