ニュース 2020.05.12. 19:55

プロ野球・12球団最後の「本塁打王」は…?

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伝説の助っ人ランディ・バース (C) Kyodo News

12球団「最後の○○」


 「新型コロナウイルス」の問題で未だ開幕の見通しが立っていないプロ野球。前に進むことができない今こそ、過去の記録にフォーカスを当てて振り返ってみよう!ということで、各球団“最後のタイトルホルダー”を振り返るこの企画。

 タイトルホルダーを多数輩出するチームもあれば、部門によっては長らく遠ざかっているチームも…。今回取り上げるのは『最多本塁打』。まずはセ・リーグ6球団から見てみよう。


甲子園に新たな伝説を


▼ セ・リーグ最後の『最多本塁打』
巨 アレックス・ラミレス(2010年/49本)
De ネフタリ・ソト(2019年/43本)
神 ランディ・バース(1986年/47本)
広 ブラッド・エルドレッド(2014年/37本)
中 アレックス・ゲレーロ(2017年/35本)
ヤ 山田哲人(2015年/38本)

 DeNAのネフタリ・ソトが2連覇中のセ・リーグ。助っ人の名前が並ぶなかでも、一際目を引くのが「1986年=ランディ・バース」だろう。阪神は三冠王に輝いた伝説の助っ人を最後に本塁打のタイトルとは縁がない。

 本塁打が出づらい甲子園を本拠地にしているということも関係しているかもしれないが、2005年には金本知憲がトップと3本差の40本塁打(うち甲子園15本)を放ち、リーグ2位にランクイン。このときキングの座についたのが、バッター有利な広島市民球場を本拠地とする広島・新井貴浩だった。新井は全43本のうち26本を広島市民球場で放っており、本拠地の差がタイトルの行方を左右したと言ってもよさそうだ。

 2010年にはクレイグ・ブラゼルが47本塁打を放ったものの、タイトルには手が届かなかった。ブラゼルは甲子園だけで21発を放ったが、同年の塁打王はバッター有利と言われる東京ドームを本拠地とする巨人のラミレス(49本塁打・うち東京ドーム23本)。悲願のキングまで、本拠地での本塁打数と同じ「2本差」だった。

 長年の悩みでもある長打力不足を解消しようと、阪神はこのオフにジャスティン・ボーア、ジェリー・サンズといった大砲候補を獲得。外国人選手の活躍については未知数な部分が大きいが、それでも悲願のリーグ優勝へ、助っ人の活躍には期待したいところだ。

 「バースの再来」と言われている左の大砲・ボーアが期待通り(もしくはそれ以上)の活躍を見せてくれるのか、それとも昨年のチーム内本塁打王・大山悠輔らを筆頭に日本人選手の覚醒があるのか――。バース伝説の更新に期待したい。


 ちなみに、2リーグ制以降の球団別タイトル獲得回数では、13連覇を果たした王貞治を擁した巨人が最多の23回、以下DeNA(13回)、ヤクルト(12回)、中日(11回)、広島(9回)、阪神(8回)となっている。


こちらも三冠王以後……


▼ パ・リーグ最後の『最多本塁打』
西 山川穂高(2019年/43本)
ソ アルフレッド・デスパイネ(2017年/35本)
楽 山崎武司(2007年/43本)
ロ 落合博満(1986年/50本)
日 ブランドン・レアード(2016年/39本)
オ T-岡田(2010年/33本)

 パ・リーグは西武の山川穂高が2連覇中。ここ10数年は「おかわり君」こと中村剛也に加えて、エルネスト・メヒアに山川と、西武勢がタイトルレースを牽引してきた。

 その合間を縫うようにして、T-岡田(2010年)、レアード(2016年)、デスパイネ(2017年)といった、各球団の大砲たちがタイトルを奪取。楽天は2007年の山崎武司が現時点で球団史上唯一の本塁打王ということになる。


 こうしてみると、やはり目立つのがロッテの「落合博満」。セ・リーグのバース(阪神)と同様に、1986年に三冠王を獲得したレジェンドを最後に、本塁打のタイトルから遠ざかっている。

 1986年以降のロッテを振り返ると、マイク・ディアズ、フランク・ボーリック、ベニー・アグバヤニ、李承燁など助っ人勢が30本塁打以上を記録するも、タイトルには手が届かなかった。日本人選手では、1995年と1998年に25本塁打を放った初芝清が最多記録と、歴史を辿ってもやや寂しい記録が並ぶ。

 それでも、昨季はソフトバンク、西武に次ぐリーグ3位のチーム158本塁打を記録。外野のフィールドにせりだした新席「ホームランラグーン」の効果に加え、ブランドン・レアード、レオネス・マーティンといった一発が期待ができる新加入選手も活躍した。12球団最少の78本塁打に終わった2018年から一変、一発を武器に出来るチームへと変貌を遂げている。

 昨季、わずか52試合の出場で14本塁打を放ったマーティンに、日本ハム時代にタイトル獲得経験があるレアード、不振による二軍降格を経験しながら昨季24本塁打を放った井上晴哉と、長距離砲の頭数は揃っているだけに、優勝争いと共に球団史上34年ぶりとなる本塁打王の出現に期待したいところだ。


 なお、2リーグ制後の球団別タイトル獲得回数では、2010年以降だけで7度を誇る西武がリーグ最多の21回、以下ソフトバンク(16回)、日本ハム(11回)、ロッテ(7回)、オリックス(7回※近鉄11回)、楽天(1回)と続いている。
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