フォーカス・レコードホルダー ~出塁率(シーズン)~
「新型コロナウイルス」の問題で未だ開幕の見通しが立っていないプロ野球。前に進むことができない今こそ、過去の偉大な記録にフォーカスを当てて振り返ってみよう……ということで始まったこの企画。
その名の通り、過去の記録にスポットを当て、“歴代No.1”の記録を持っている選手を中心に振り返ろう、というのがテーマ。今回取り上げるのは「シーズン出塁率」。早速だが、NPBの歴代トップ10を見てみよう。
▼ 歴代最高記録・出塁率(シーズン)
2位 .4806 落合博満 [ロッテ/1985]
3位 .4805 ランディ・バース [阪神/1986]
4位 .4728 落合博満 [中日/1991]
5位 .4725 小笠原道大 [日本ハム/2003]
6位 .4694 柳田悠岐 [ソフトバンク/2015]
7位 .4687 ロベルト・ペタジーニ [ヤクルト/1999]
8位 .468 丸 佳浩 [広島/2018]
9位 .467 アレックス・カブレラ [西武/2002]
10位 .466 ロベルト・ペタジーニ [ヤクルト/2001]
※対象:1985年以降(NPB公式サイトより)
トップ5に3度も登場
これまでは「通算記録」→「シーズン記録」という順で取り上げてきたこの企画だが、実はこの『出塁率』に関しては、過去の記録が不十分なこともあって、「通算記録」のランキングが存在しない。
そんな事情もあり、「シーズン記録」の集計も1985年以降の記録を対象としたものになっているが、名だたる大打者たちを従えて頂点に君臨しているのが落合博満だ。
1982年に初の三冠王に輝いた男は、その3年後の1985年に打率.367・本塁打52・打点146という自己最高の記録を残して2度目の三冠王に。打率は当時の右打者最高記録で、本塁打は当時のパ・リーグ記録、打点は今なおパ・リーグ最高記録となっている。
そんな最高のシーズンを送った翌年、1986年に歴代No.1の記録は打ち立てられる。打率.360・本塁打50・打点116は立派な数字だが、前年と比べると軒並みダウン。それでも、2年連続で三冠王に輝き、通算3度目の三冠王は史上初のことだった。
どうしてもその偉業の方に目が行きがちだが、実は主要成績の中で唯一前年を上回ったのが出塁率。打率は7厘のダウンも、出場数・打席数が減った中で前年と同じ104の四死球を記録して、出塁率は7厘アップの.487。これが30年以上経った今なお残るNPB歴代最高の記録である。
ちなみに、歴代2位には“キャリアハイ”の成績をマークした1985年の自分、4位にも中日に移籍した後の1991年の自分と、なんとトップ5のなかに「落合博満」の名前が3度も登場。
Mr.トリプルクラウンという印象が強い選手だが、実は“出塁率”でも凄まじい記録を残していたのだ。
▼ 落合博満(1986)
123試合 打率.360(417-150) 本塁打50 打点116
得点98 二塁打11 三塁打0 塁打数311
盗塁5 盗塁刺1 犠打0 犠飛1 四球101 死球3
三振59 併殺打15 長打率.746 出塁率.487