いまから開幕を逆算
DeNAの今永昇太投手が7日、自主練習後にオンラインミーテングアプリ「ZOOM」を使用した取材に応じ、現在の心境や近況などを語った。
強度はそこまで上げていないものの、ブルペンで「45球くらい」を投げたという今永は、今週に入ってからは「全球種すべて投げています」と、徐々にではあるが実戦を見据えた練習もスタートさせているようだ。
政府が緊急事態宣言を延長したことを受け、DeNAも1日おきの自主練習期間を17日まで継続することを決定。練習時間や環境は限られているものの、ブルペンでのピッチングを「2日に1回はやっていきたい」とのこと。その一方で、「身体のキレがまだでてきてない」ため、「思い通りのボディコントロールができるように」トレーニングを計画的に行っていく考えも示した。
また、「開幕は決まっていないけれど」と前置きした上で「6月後半に開幕できるとしたら、今は開幕約1カ月半前。自主トレ最後の期間でキャンプに入る直前」と想定。「これから心拍数を高めて、2~3週間したらピッチを上げていかないと」と話し、「逆算しながら、あと1カ月くらいで、いつ実戦が始まってもいい状態にしないといけない」と開幕を見据える。
例年とは異なる開幕時期については「例年より暖かい時期に開幕するので、想定した以上の力が出るかもしれない。寒い時とは違う怪我のリスクがあると思う」と語り、「肩、肘と耐えうるような身体の作り方」も意識し、“いまできること”を熟考してトレーニングに励む考えだ。
先の見えない状況にも
先行きが不透明な状況にも「こればっかりは僕たちがコントロールできないこと」としながらも、「はやく開幕してファンの方々にプレーを見せたいのは全プロ野球選手が持っている気持ち。延びてしまったことに、率直に残念な気持ちはあります」と素直な気持ちも吐露した。
韓国や台湾で一足早くプロ野球が開幕していることについては、「モチベーションが上がることでもあるし、悔しい要素でもある」との胸中を明かしながらも、「僕たちは開幕することを信じて、これからも一生懸命準備をしていくだけ」との決意を新たにした。
侍ジャパンについても、「いまのこの状況は国際大会にすごく似ている。思うような練習時間もボリュームもない。でも試合はくる。出来ないことは出来ない、やれる事はやる。神経質すぎると対応できないので、線引きをしっかりして割りきらないと結果は出ない」と、現状を鑑みながら前を向いた。
相次ぐ延期に戸惑いを感じつつ現状を受け止めて調整を続ける“エース”今永。今季の開幕を見据え、着々と準備を進めていく。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)