158キロ右腕が見据える高み
昨季の夏場に彗星のごとく現れ、終盤戦ではリリーフ陣の一角を担うなど、西武のリーグ連覇に貢献した平良海馬投手が、現在の自主トレ期間に力を入れて行っているのが筋力アップだ。
最大で100キロあった体重は現在94キロだが、筋肉量は増えているとのこと。食事面でも余計な脂肪をつけまいと「サラダ、肉、炭水化物」の順を守って、バランスよく摂取している。
5月7日の自主練習では、アップを終えた後に、キャッチボールや60球ほどの投げ込みを行い、1時間ほどウエイトで汗を流した。95キロのベンチプレスを10度持ち上げるなど、胸筋を中心に鍛えている。筋力アップの先に見据えるのは、球速アップだ。
昨季は150キロを超えるストレートで打者を抑え込んでいる印象だったが、本人は「スピードだけが出ているという感じ。汚いボールだったと思う」と振り返り、「去年はバッターがボールの上を振っているような気がしたんです。“いつもと違う真っすぐ”だから空振りをしていた」と感じていたという。
理想とするのは、バットの上をボールが伸びていくようなストレート。イメージするのは「サファテ投手のような直球」だ。昨季の最速は釧路で記録した158キロ。球速はそこまで気にしないと口にしていたが、「160キロは出したいという気持ちはある。だけど球質がダメだったらイヤ。伸びのある160キロを投げたい」と、さらなる高みを目指す。
約60球ほどを投じた7日のブルペンでは、直球だけではなく、カットボール、スライダー、カーブ、チェンジアップを交えつつ、「最速は154キロ。球の質も良い」「昨年よりも良い状態だと思います。後はすべての球種で打ち取れるようにしたい」と、手ごたえと課題を口にした。
「今年の目標は防御率3.00以内。点を取られない投手になりたい」と語る高卒3年目右腕の活躍を楽しみに待ちたい。
▼ 平良海馬の2019年成績
登板数:26試合(24回)
勝敗数:2勝1敗1セーブ6ホールド
防御率:3.38
奪三振:23
被安打:29
与四球:9
与死球:3