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日本野球機構(NPB)とJリーグが設立した「新型コロナウイルス対策連絡会議」の第7回目が11日、Web会議システムにて実施された。
会議後、Web上で行われた会見でNPBの斉藤惇コミッショナーは、専門家から「日本の状況は予断を許さない、第二波、第三波の可能性もある。この時点で開幕の日付を決めるのは難しいのではないか」という提言を受けたことを明かした。
また、「一部の県で規制の緩和や解除も行われたが、この結果が5月20日過ぎから出てくる、その結果が我々の決定に影響してくる」と続け、「野球を開催した場合の詳しいガイドライン等々を、先生方にアドバイスをいただきながら作成し、丁寧な準備に入りたい。移動のリスクを制限し、選手やスタッフなどの健康をできるだけ害さずできるかを検討していきたい」との見解を示した。
プロ野球では6月19日が候補日として挙がっているとの報道もあったが、専門家チームの賀来満夫氏(東北医科薬科大学)は「今日の会議の中で19日の議論はなされなかった」ことを明かし、「開催が可能かどうかは、緊急事態宣言がどういう形で解除になっていくのか、解除と共に新規の感染者数を2週間みていく。現時点では判断が難しい」と主張。
斉藤コミッショナーも「6月一定の日をはっきりおいて準備するということはできない。状況が良くなれば開催できる体制を作っていくことが大事」と述べ、状況が変わっていくなかでベターな準備態勢を考えていくことの重要性を強調。移動リスクを考慮した集中開催に関しても「具体案を話している段階ではない」「球団や自治体の考えもある」として、可能性を考慮しつつも議論されている段階ではないことを示した。
賀来氏は、全国的な感染状況が減少傾向にあることを認めつつ、「再流行のリスクを念頭に置いた対策が必要」だと主張。ゼロリスクはない中で、「(制限)解除の基準も大切だが、解除されたあとにリスク管理を行いながら、どう対応していくのか、そのためにはマニュアルや健康管理、感染者が出た場合の対応なども考えた細やかなガイダンスをしっかりと作成し、助言していく」方針を示した。
また、専門家チームは開幕・再開に向けて「各自治体の組長との連携をしっかり行っていくこと、議論を進めていくことも大事になる」ことを強調。そして「前のめりになりたくなるが、前のめりになりすぎず、考えていきたい」と慎重な姿勢を崩さなかった。