ニュース 2020.05.17. 17:29

虎の火の玉ストッパーと鷹の剛腕クローザーが名球会目前 現役選手の通算記録を見てみよう【投手編②】

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阪神・藤川球児(画像は2019年) (C) Kyodo News

フォーカス・レコードホルダー ~番外編~


 「新型コロナウイルス」の問題で未だ開幕の見通しが立っていないプロ野球。前に進むことができない今こそ、過去の偉大な記録にフォーカスを当てて振り返ってみよう……ということで始まった『フォーカス・レコードホルダー』という企画。

 その名の通り、過去の記録にスポットを当て、“歴代No.1”の記録を持っている選手を中心に振り返ろう、というのがテーマ。日本プロ野球における様々な「通算記録」「シーズン記録」を紹介してきた。


 ここでは“番外編”として、現役選手たちの記録に注目。2020年現在、今なお現役でプレーしている選手たちの「No.1あれこれ」を見ていきたい。今回は、投手の主要な記録・その2。なお、ここで扱う記録はすべて「NPB通算」のもの。MLBでの出場歴がある選手の記録も、すべて“NPB単独”での成績となる。


日本レコード保持者が歩む前人未踏の領域


▼ 通算ホールド(現役選手)・トップ5
1位 337ホールド 宮西尚生(日本ハム)
2位 163ホールド 五十嵐亮太(ヤクルト)
3位 162ホールド 藤川球児(阪神)
4位 159ホールド 青山浩二(楽天)
5位 152ホールド 増井浩俊(オリックス)


 中継ぎ投手の勲章・ホールド数でトップに立つのが、日本ハムの宮西尚生。トップ独走の左腕が記録している「337」は、現役選手どころかプロ野球歴代で見てもNo.1という数字だ。

 ルーキーイヤーの2008年から昨季までの13年欠かさず50試合以上に登板してきた鉄腕。これまで3度も「最優秀中継ぎ投手」のタイトルを獲得しており、現在のところ2連覇中。今季も防衛に期待がかかる。

 これだけ投げれば勤続疲労というところも心配になってくるが、手術明けで迎えた昨年もキャリアハイを更新する43ホールドを記録。その腕は錆びつく気配がない。引き続きブルペン陣の大黒柱として活躍を見せてくれることだろう。

 前人未踏の記録をどこまで伸ばすことができるだろうか…。


虎の火の玉ストッパーが名球会入り目前


▼ 通算セーブ(現役選手)・トップ5
1位 241セーブ 藤川球児(阪神)
2位 234セーブ デニス・サファテ(ソフトバンク)
3位 163セーブ 増井浩俊(オリックス)
3位 163セーブ 山崎康晃(DeNA)
5位 139セーブ 松井裕樹(楽天)


 セーブ数は上位の2人が抜けている。その中でトップに君臨するのが、阪神の藤川球児である。

 代名詞の“火の玉ストレート”を武器に、長らく虎のブルペンを支えてきた右腕。昨年7月に39歳を迎えてもその剛腕は衰えるどころか、これまで以上の威力を発揮。昨季は56試合の登板で防御率1.77と、もはや全盛期ばりの活躍を見せた。

 メジャー挑戦から独立リーグを経て、2016年に阪神復帰後はセットアッパーがメインだったものの、あまりの好調ぶりとチーム事情が重なって昨季途中から抑えに“復帰”。現役最多セーブの座を奪い、気が付けば名球会入りの条件となる通算250セーブまであと「9」と迫っている。

 これまで岩瀬仁紀、高津臣吾、佐々木主浩というレジェンド3人しか達成できなかった大偉業へ…。復活した虎の守護神は、40歳を迎える今季も目が離せない。


 また、過去に3人しか達成していない250セーブを射程に捉えている選手がもう一人、ソフトバンクのデニス・サファテである。

 2017年にはプロ野球新記録となるシーズン54セーブをマークした最強助っ人。しかし、股関節の故障からここ2年で計5セーブと急ブレーキの状態となっており、偉業を目前に足踏みが続いている。

 それでも、今季はオープン戦で3試合に登板を果たすなど、着実に復活に向けた歩みを進めている。藤川とともに250セーブの大台へ、鷹のクローザーの復活にも期待したい。


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※お詫びと訂正(2020年5月18日18時00分)
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初出時、五十嵐亮太投手の所属が「ソフトバンク」となっておりましたが、正しくは「ヤクルト」です。
大変失礼いたしました。お詫びして訂正いたします。
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