若手投手陣との関係は?
ロッテは昨季チームトップタイの8勝をマークした種市篤暉、昨季チームトップの128回2/3を投げた二木康太、岩下大輝、小島和哉、中村稔弥、東妻勇輔、小野郁など、20代前半の若手投手陣が昨季あたりから一軍で投げる機会が多くなった。
この若手投手陣をどのようにリードしていきたいのかーー。どう引っ張っていきたいのかーー。昨季種市と“柿の種バッテリー”で話題を集めた柿沼友哉に、春季キャンプ中に聞いてみた。
柿沼は「偉そうなことを言わず、投手が投げやすい、投手がやりやすい環境を作ってあげて、僕がそこに何を手助けできるのか。そこは僕も勉強しなければいけないですし、経験したことを少しでも若手投手と組んだときに助けられるようにしたい」と教えてくれた。
続けて柿沼は「引っ張っていくことは大事だと思うんですけど、“俺に任せろ”じゃなくて、お互いのコミュニケーションが大事だと思いますし、ピッチャーあってのキャッチャー。ピッチャーが投げやすいようにしてあげることが、気持ちよく良いボール投げられることだと思います。ピッチャーの良さをどう引き出すかが、僕は大事だと思いますね」と投手に寄り添い、投手の気持ちに立って、良さを引き出すかことを第一に考えているようだ。
投手の良さを引き出す
昨季、“柿の種バッテリー”で話題を呼んだ種市とは、8試合(先発)でバッテリーを組んだ。種市がオールスター明けに長いイニングを投げていた要因について、柿沼に質問すると「2人で話していて、種市自身もどんどん勝負していきたいと言っている。それに合わせてどんどん勝負させてあげられている。そこで少しずつ球数を減らして、結果長いイニングになっているんじゃないかなと思います」と、コミュニケーションを取ることで、お互いの考えがわかり、種市の良さを引き出していた。
2月9日の楽天モンキーズとの国際交流試合で先発した小島和哉とバッテリーを組んだ際も、「(ストレートは)小島の一番の軸になってくるボール。それをしっかりまず投げきれるかどうかというのを一番に。小島自身もまっすぐを多く使っていきたいと話していたので、軸になるまっすぐをどれだけ投げられるかというような。その中で、抜けたボールももちろんありましたけど、強いボールもきていましたね」と良さを引き出すようにしていた。
投手との“コミュニケーション”を心がける柿沼だが、昨季は積極的に同じボールを要求する場面が何度か見られた。そこについては「そのときに思ったこと、感じたことを出すようにしているので、意識してというのはないですね」と明かしている。
3月20日に予定されていたプロ野球の開幕は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、無期延期となっている。6月の中旬から下旬の開幕を目指していると報道で出ているが、柿沼には今季も種市をはじめとした若手投手の良さをどんどん引き出し、チームに多くの勝利をもたらして欲しい。そうすることで、柿沼が今季に向けて目標に掲げた「1年間しっかり一軍でやって、一つでも多くスタメンをいただいて勝てるように頑張りたい」という達成も見えてくる。
文=岩下雄太