実績練習も再開
DeNAの山﨑康晃投手が26日、全体練習終了後にオンラインミーテングアプリ「ZOOM」を使用した取材に応じ、現在の心境などを語った。
この日は横浜スタジアムで行われたシートバッティングに登板。打者4人に対して被安打3、ストレートの最速は146キロながら「久々の実戦だったので、自分の感覚を確かめられればいいと思っていて、結果ケガなくバッターに対しての感覚も確かめられた。最初としてはこんな感じかなという感覚」と、満足気な表情で振り返った。
また、「とにかく野球ができる喜びを改めて感じましたし、(打者と)勝負できる楽しさを感じました。野球ができることが当たり前になってたなとも改めて感じ、そういう気持ちをこれからマウンドに立っても感じるべきだと思います」と、自粛を強いられていたからこそ芽生えた気持ちも吐露。そんな中でようやく始まった全体練習を心の底から喜んでいた。
「開幕日が決定した昨日の夕方には“ようやくこの状況になってくれた”というような楽しい気持ちになりましたし、チームメイト一緒にできる練習は本当に楽しい。ユニフォームを着てピッチング出来ている瞬間も、嬉しさでいっぱい! みんなの笑顔を見ながらピッチングできたことに幸せを感じましたし、純粋に楽しかった!」と、声を弾ませた。
他のプロスポーツに先駆けて開幕することについては、「日本全体が苦しい状況にある中で、明るいニュースを届けられたら。楽しさやワクワクした気持ちを届けられたらいい」と、その役割の大きさも自覚している。
約3週間後の開幕へ
開幕日が6月19日に決定したことで「気持ちは全然変わってきますし、明るい目標ができて、取り組む姿勢も変わってくる」と気を引き締めつつ、「しばらく実戦から遠のいているので、感覚を調整して状態を上げていければ。緊張感の中で100%に近い感覚を探りながら調整していきたい」と、徐々にステップアップしていく方針を明かした。
しばらくは無観客での試合が続くため、山﨑の“武器”でもある「ヤスアキジャンプ」もおあずけとなる。「パワーももらっていますし、エネルギーを感じる応援なので寂しさはあります」としながら、「テレビの前やラジオを聞きながら応援してくれる方々に良い結果、良い報告が出来るようにしたい。再び球場でヤスアキジャンプが出来るようになるまで、何とか戦っていきたい」と、活躍を誓った。
ここまでの開幕延期は誰も経験したことがなく、難しい調整を強いられるものの「僕らはプロフェッショナル。柔軟に対応すべき。色々な状況が想定されますけど、僕たちにできることはしっかり腕を振って、目標の日本一に向かって頑張っていくこと」と力強いコメントを残し、最後はヤスアキマイクの決め台詞でもある「ハーイッ!!」で取材を締めくくった。
筒香嘉智が海を渡り、ベイスターズの顔として君臨する“小さな大魔神”。幾多のピンチを切り抜けチームを救い続けたリリーフエースは、未曽有の現状をも明るく軽やかに乗り越えていくはずだ。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)