期待のルーキー
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、プロ野球の開幕は6月19日となった。ロッテは30日と31日にZOZOマリンスタジアムで紅白戦を行い、2日からは練習試合がはじまる。主力選手にとっては調整の場となるが、レギュラーを目指す選手、開幕一軍を目指す選手たちいとっては、アピールの場でもある。ドラフト5位ルーキーの福田光輝もアピールが必要な選手のひとりだ。
新人合同自主トレでは、最速163キロを誇る1位の佐々木朗希に注目が集まったなか、福田光は「キャンプが全てじゃないので、今はしっかり自分のなかで考えて練習をして、シーズン通して良い結果を残せるように、いろいろ準備をしたり、先輩に聞いたりしながら頑張りたい」と1月の段階から先を見据えて準備をしていた。
春季キャンプで一軍スタートを切ると、今季初の対外試合となった2月8日の楽天モンキーズ戦には『8番・ショート』でスタメン出場。この試合で本塁打を含む2安打2打点の活躍を見せると、翌日も1点を追う9回に逆転適時打を放つなど3安打2打点。試合後には、室内練習場で打ち込んでいる姿が印象的だった。
練習試合がはじまってからも継続的に結果を残し、オープン戦ではやや当たりが止まったが、途中出場した3月11日の日本ハム戦でライトスタンドへ豪快な一発。『1番・ショート』で先発出場した3月14日の中日戦では、広いナゴヤドームの反対方向へ先頭打者本塁打を放ち、続く第2打席はライトへ2打席連続本塁打とアピールを続けた。
オープン戦が終わったあとの、DeNA、ソフトバンクとの練習試合でも、出場した4試合中3試合で安打を放つなど活躍。2・3月の練習試合とオープン戦の成績は、25試合に出場して、打率.247(77-19)、4本塁打、10打点だった。
鳥谷が一軍を争うライバル!?
開幕一軍入りへ向けてアピールしていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕は3月20日から6月19日に。あれから2カ月が経過し、開幕一軍を目指す戦いが再びはじまる。さっそく、30日には12時から紅白戦が行われる。福田光はその紅白戦で、白組の『3番・セカンド』で先発出場する予定だ。
福田光は2、3月の練習試合、オープン戦ではショート以外にもセカンド、サード、ファーストと内野の全ポジションを守ったが、新加入の鳥谷敬も3月のファーム練習試合で本職のショートだけでなく、セカンドやサードでも出場した。実績や経験では鳥谷が上回るが、同じ右投げ左打ち、内野の複数ポジションを守るという意味では、一軍を目指すうえでのライバルのひとりと呼べるかもしれない。
福田光が開幕一軍を掴みとるためにも“走攻守”すべてで、以前のようなアピールが必要となってくる。それだけに、6月2日からはじまる練習試合、いや今日からはじまる紅白戦から、どのような“結果”を残していけるのか、注目したいところだ。
文=岩下雄太