2回を無失点
ロッテの有吉優樹が30日、紅白戦の紅組で先発し、2回を投げ15球、被安打0、与四球0、自責点0に抑えた。
初回先頭の荻野貴司を左飛に打ち取ると、続く加藤翔平を二ゴロ、3番・福田光輝を左飛に抑えた。続く2回もストライク先行のリズムの良い投球で、井上晴哉、マーティン、清田育宏を簡単に三者凡退に片付け、マウンドを後にした。
昨年3月31日の楽天戦以来のZOZOマリンのマウンドとなった有吉は、球団を通じて「ZOZOマリンの雰囲気が久々に味わえたことが良かったですね」とコメント。
「3月にはファームで実戦復帰もしていて先発して3イニング投げていたので感覚といったところは問題なかったです。投げられますっていうところを見てもらえた事は良かったと思います」と振り返った。
昨年は故障に苦しむ
ルーキーイヤーの17年が53試合に登板し、2年目の18年が先発、リリーフの両方をこなし6勝を挙げる活躍を見せた。昨季は先発ローテーションの一角として期待されたなか、昨季は4月に『右肘鏡視下関節クリーニング手術』を受け、一軍の登板はわずか2試合にとどまっていた。
リハビリ中は、試合前練習を行う前にロッテ浦和球場の外野を黙々と走る姿を何度も見てきた。昨年10月9日のフェニックス・リーグのハンファ戦で実戦復帰。小野晋吾二軍投手コーチは、昨年11月の取材で有吉の復帰後の投球について「初戦なんかでも、いきなりストレートでどんどん自分の思ったように投げられていた。ファームにいる選手とちょっと違うというか、ゲーム復帰の入り方がやっぱり違うなと感じましたね」と評価していた。
今年に入ってからは練習試合、オープン戦で一軍の登板はなかったが、ファームでは3月12日に行われた楽天との春季教育リーグ、3月20日の楽天との練習試合に登板。いずれの登板も無失点に抑えていた。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、予定されていた開幕が3月20日から6月19日の変更となった。そして、この日行われた紅白戦で、一軍の首脳陣が見守る中、2回をパーフェクトとアピール。
「今季は少し短いシーズンですが、昨季なにもできなかったので少しでもチームの力になれればと思います」。昨季は先発として期待されながら、故障で悔しい1年となった。美馬学、ジャクソン、ハーマンといった実力者の新戦力も加わり、有吉が故障で離脱している間に若手投手も台頭してきた。ライバルは増えたが、故障前の2年間で、しっかりと結果を残した実績がある。今季は、本拠地・ZOZOマリンで投げる姿を多くのマリーンズファンに見せたいところだ。
文=岩下雄太