好調チャモさんの「チーム愛」
DeNAのホセ・ロペス選手が4日、本拠地・横浜スタジアムで行われた楽天との練習試合で本塁打を含む2安打3打点と結果を残し、存在感を示した。
1点ビハインドの2回、楽天先発の左腕・辛島航投手が投じた低めのカーブをすくい上げると、ボールは無人のレフトスタンド最前列へ飛び込み、ベンチで祝福のエアタッチ。技ありの一打に「真芯ではなかったけど、タイミング良く捉えられたので、スタンドには入ると思った」と頷いた。
続く3回には一死満塁の場面で登場し、フルカウントから振り抜いた一打が三塁線を襲うと、これがサード鈴木大地選手のグラブを弾く2点適時打に。カウントから「ストレートの確率が高い」と配球を読み、「しっかりと準備できた」としてやったり。「状態がいいので、受け身にならず積極的に打てている」と、順調な調整ぶりをアピールした。
守備面でも1回の二死一二塁の場面で、藤田一也選手の強烈なゴロを好捕し、2回二死満塁の場面でも、島内宏明選手のライナーを反応よくキャッチ。昨年は連続守備機会無失策記録を樹立したあと、7つものエラーを記録していたが、この日は名手の名に恥じぬ動きを見せていた。
昨年は31本の本塁打を放ったが、打率は.241、OPS.756はファーストの助っ人としては寂しい数字。さらに新外国人タイラー・オースティンの加入により、今季のキャンプでは昨年ライトとセカンドを守っていたネフタリ・ソト選手がファーストの練習をするなど、実績十分のロペスも安泰ではない状況だ。しかし、今年はオープン戦に続いて練習試合でも結果を残し、アピールを続けている。
そんな状況に身を置くロペスだが、「長い間、試合から離れていたので、チーム全体の状態を100%に上げていくことが大切になる」とコメント。その言葉からは、常にチームのためを考えて行動するロペスの人柄が滲み出ていた。筒香のいないベイスターズにあって、精神的支柱でもある“頼れるチャモさん”の好調は心強いかぎりだ。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)