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巨人・坂本と大城がコロナ再検査“陰性”のなか~菅野が開幕戦で狙う“6000勝”という記録

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【プロ野球練習試合巨人対西武】4回 力投する巨人・菅野智之=2020年6月2日 東京ドーム 写真提供:産経新聞社
話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。今回は、6月2日に行われた西武との練習試合で順調な仕上がりぶりを見せた、巨人・菅野智之投手のエピソードを取り上げる。

6月19日にようやく開幕することが決まったプロ野球ですが、3日、衝撃的なニュースが飛び込んで来ました。巨人は、坂本勇人・大城卓三両選手が新型コロナウイルスのPCR検査を受け、陽性判定が出たと発表。この日予定されていた西武との練習試合を、急きょ中止にしました。

坂本も大城もチームの主力であり、前日2日の練習試合にスタメン出場していたため、動揺が拡がりました。球団の発表によると、5月末に全選手・スタッフのうち、希望者218人の抗体検査を行った結果、うち4人から新型コロナウイルス感染後に回復したことを示すIgG抗体を確認。さらにPCR検査を行った結果、2人の陽性が判明したということです。

ただし坂本・大城は、ともにほぼ正常値に近い「微陽性」であり、感染から回復後かなりの時間が経っているとみられています。巨人は念のため、1軍の全選手・首脳陣・スタッフが4日の午前中までにPCR検査を受けると発表。そして2選手は3日、改めてPCR検査を受けた結果、陰性と判定されたため、今後も検査で陰性判定が続けば、チームに再合流を目指す模様です。

日本野球機構(NPB)は3日午後の時点で、専門家の意見も聞いた上で、「特に開幕に影響はない」との見解を示していますが、これ以上感染が拡がらないことを祈って止みません。

さて、そんななか、選手たちは着々と開幕に向けて準備を進めています。

「違和感なく投げられた。コンディションは引き続きいいし、意図したボールを投げられた」(菅野)

2日から、調整のための練習試合が6球場でスタートし、無観客ではありますが、久々に実戦が行われました。巨人は東京ドームで西武と対戦。原監督が先発に起用したのは、エース・菅野でした。

すでに3年連続・通算6度目となる開幕投手に指名されている菅野。対外試合に登板するのは3月24日、中日との練習試合以来でしたが、西武が誇る「山賊打線」を相手に貫禄のピッチングを披露。初回、昨年(2019年)のパ首位打者・森友哉を、この日最速となる151キロの真っ直ぐで見逃し三振に仕留め、3者凡退と上々の立ち上がりを見せました。

「2ヵ月間しっかりやって来たストレートが、ああいう形で投げられたのは1つの収穫」(菅野)

2回には、2年連続パ本塁打王・山川穂高を空振り三振させ、この回も3人で終了。3回、西武の新外国人・スパンジェンバーグに右翼席へ特大の一発を食らいましたが、その後は危なげない投球で、4回47球を投げ2安打1失点。毎回の5三振を奪い、無四球でマウンドを降りました。

エースに「開幕戦は心配ご無用」と言わんばかりの頼もしいピッチングを見せられては、指揮官としても何も言うことはありません。試合はその後乱打戦になり、巨人が逆転負けを喫しましたが、菅野の出来に関して、原監督は太鼓判を押しました。

「集中しながら、やるべきことをしっかりやっている感じに見えますね」

昨年(2019年)は11勝を挙げ、5年ぶりのリーグ優勝に貢献した菅野ですが、腰痛の影響もあって、入団以来6年連続でクリアして来た規定投球回数に初めて届きませんでした。防御率も、自己ワーストの3.89に。

ポストシーズンも、不本意な結果になりました。阪神とのCSファイナルステージは、腰痛再発で回避し、ソフトバンクとの日本シリーズは、王手を掛けられた第4戦に強行登板しましたが、グラシアルに手痛い3ランを浴び、7回途中4失点で降板。チームもストレートで敗退という屈辱を味わったのです。

それだけに今季は、リーグ連覇はもちろん、8年ぶりの日本一奪回が至上命題。昨年オフの契約更改の際、「20勝を目指す」と語った菅野ですが、スタートダッシュを決めるためにも、重要なのが開幕戦です。

菅野は入団2年目の2014年、初めて開幕投手に抜擢。2014年から2016年まで、3年連続で開幕戦勝利を挙げていますが、2018年・2019年は2年連続で敗戦投手になっており、今年(2020年)の開幕戦は絶対に落とせないところ。「開幕日にピークを持って行く」という宣言に、菅野の今季に懸ける並々ならぬ決意を感じます。

菅野が自主トレから意識していたことは、まず故障しにくい体をつくった上で「真っ直ぐに磨きをかけること」。そして、腰への負担を減らすことにもつながりますが「動きに無駄のない、新しいフォームで投げること」でした。

3月のオープン戦で試し、今回の練習試合でさらなる進化を遂げた新フォームは、「腕から動くフォーム」です。始動と同時に、グラブを顔の近く(右肩付近)まで上げ、それから左足を上げるのですが、オープン戦のときよりも腕の動きを小さくし、足の上げ方も微調整。これによって体の軸が安定し、より力強い球が投げられるようになりました。

「よりシンプルに、無駄な動きをなくして、いまの形に落ち着いた。これが完成形と言っていい」(菅野)

新型コロナウイルスの影響により、ステイホームを強いられた期間も、過去の映像をチェックしていたという菅野。開幕予定日がどんどん後ろに延びて行っても、その日にピークが来るよう逆算でスケジュールを組み、しっかりと調整を進めて来ました。

19日に東京ドームで行われる開幕戦、巨人の相手は阪神です。いきなり「伝統の一戦」になりましたが、実はこのゲームにはある「記録」が懸かっています。巨人の通算勝ち星は、昨シーズン(2019年)終了の時点で5999勝。菅野が開幕戦に勝てば「球団通算6000勝」というオマケも付いて来るのです。それこそ、エースにふさわしい仕事。

「チームで動いているので、自分だけの体じゃない。自覚を持った行動を心掛けたい」(菅野)

心身ともに充実、「2020年モデル」の新フォームも完成させ、逞しさを増したエースが開幕戦でどんなピッチングを見せてくれるのか? バージョンアップした菅野に注目です。
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