練習試合で3つ目の盗塁
ロッテの和田康士朗が5日の楽天戦で、6月2日から始まった練習試合では3つ目の盗塁を決めた。
5-2の7回一死一塁の場面で、西巻賢二の代走で登場。宋家豪が福田光輝に投じた初球にスタートを切り盗塁を成功させた。しかし、本人は「盗塁も走塁もまだまだだと思います」と厳しい自己評価。
それでも、4日の日本ハムの練習試合ではレアードの代走で出場し、初球に二塁盗塁を成功させると、中村奨吾の浅いレフト前ヒットで二塁から勝ち越しのホームを踏むなど、好走塁を見せている。さらに同試合では、9回無死二、三塁から支配下登録後初安打となるセンター前にタイムリーを放つと、センターがホームに送球しているのを見て、二塁へ進塁。細谷圭のレフトに落ちるヒットで俊足を飛ばして、一気にホームインした。
ロッテ浦和球場の二軍戦では、ワイルドピッチで二塁から一気にホームインしたりするなど、何度も素晴らしい走塁を見せてきたが、練習試合とはいえ、緊張感のある一軍の舞台でも、ファームのとき以上の走塁を見せるのは立派だ。
少ないチャンスで結果を残す
開幕一軍を目指し走塁で存在感を見せる和田だが、春季キャンプは二軍スタートだった。特に今季に向けて外野陣は、ソフトバンクから福田秀平をFAで獲得し、新人の高部瑛斗も加わり、選手層が昨季以上に厚くなった。和田も支配下登録を勝ち取ろうと、自主トレでは盗塁、走塁の技術を磨き続けた。
風向きが変わるきっかけとなったのは、2月8日の楽天モンキーズとの国際交流試合で、ライトスタンドへ飛び込む特大の本塁打を放ってからではないだろうかーー。2月11日の第3クールから一軍に合流すると、そこから少ない出場機会で、自身の武器である“足”でアピールを続け、支配下登録を掴み取った。
「練習試合だからこそ、失敗が許されると思いますし、失敗して成長することもあると思うので、今のうちに失敗を恐れずに積極的にやっていきたいと思います」。
和田康士朗に良い“風が吹いている”。この“風”を生かし、開幕一軍の切符を掴み取りたい。
文=岩下雄太