6回無失点に「とても気持ちいい」
ヤクルトは9日、神宮球場で日本ハムと練習試合を行い、5-3と勝利。先発のイノーアは6回2安打無失点、8奪三振と好投した。
今季からヤクルトに加入した新外国人右腕は、ツーシームやチェンジアップ、スライダーを武器に日本ハム打線を翻弄。さらに「カーブを試したかった。それが試合中に試せたのが良かった」と話し、「とても気持ちいい。自分の投げるべき球も投げられた。自分の仕事ができた」と振り返った。
テンポの良い投球で試合のリズムを作った。初回に先頭の西川に安打と盗塁を許したが、2番・大田、4番・中田を空振り三振に仕留めるなど、先制を許さなかった。その裏の攻撃では4番・村上に3ラン、6番・西浦のソロが飛び出し、チームに流れを呼び込んだ。
「毎回テンポは意識している。野手の人たちに守らせる時間を少なくして、試合のリズムをうまく回すのを意識しているので、それが良くできて良かった」
この日は6回79球でマウンドを降りたが、「長いイニングを投げるのは意識している。100球以内で8回、9回を投げるのが目標」と、シーズン開幕へ向けて「開幕100%に持っていけるように日々練習していきたい」と意気込んだ。
指揮官「すごくいいピッチングだった」
高津臣吾監督も、イノーアについて「腕も良く振れていたし、ボールも全体的に低かった。空振りも良く取れましたし、テンポも良かった。すごくいいピッチングだった」と褒め称えた。
イノーアは2日の中日との練習試合(神宮)でも5回1失点と好投。「火曜日」に投げる男は、順調なら開幕2カード目となる23日・阪神戦(神宮)での登板が有力。高津監督は「カードの頭を任せていいと思う。このままいけば火曜日に登板する予定ですね」と話した。
課題に挙げられる投手陣だが、イノーアの快投は好材料。石川、小川、高橋に続く開幕ローテ入りが確実となった。リリーフ陣もこの日、抑え候補の石山とマクガフの2人が登板。「マクガフと石山には、状態の良い方を抑えにすると伝えてある」と指揮官はコメント。守護神争いもし烈だ。
19日の開幕から本拠地・神宮球場で15連戦となるが、「チームの形をしっかりしたものにしていきたい」と、残り5試合となった練習試合を戦い、監督1年目となる船出へ臨戦態勢を整える。
取材・文=別府勉(べっぷ・つとむ)