ニュース 2020.06.20. 11:49

ピンチの時に頼れる“切り札”候補 二軍に控える男たち

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ソフトバンク・内川聖一(C)Kyodo News

120試合の激闘が幕開け


 6月19日、ようやくプロ野球の2020年シーズンが開幕。交流戦もオールスター戦もない、120試合ノンストップのペナントレース。そのゴングが鳴った。


 過去の類を見ない戦いだけに、これから戦っていくうちに各チームで様々な誤算が生じてくることだろう。そんな時に必要となるのが、そのピンチをチャンスに変える男の存在だ。

 開幕一軍入りは逃しながらも、いつか来る“その時”を虎視眈々と狙っている選手が各チームにいる。例えば、ソフトバンクのベテラン・内川聖一がその一人。

 近年の強いソフトバンクを支えてきた主軸打者だが、今季は開幕前の練習試合でなかなか調子が上がらず、横浜時代以来で17年ぶりの開幕二軍スタートに。しかし、経験豊富なバットマンの力が必要となる時が必ず来るはず。

 今回は、その内川のように、開幕一軍入りは逃したものの、引き続き注目が集まる選手をピックアップしていきたい。


ここ一番で頼りになるベテラン


 冒頭で触れたソフトバンクの内川は、開幕直前の練習試合で7試合・21打数1安打と大ブレーキ。14日に工藤公康監督から二軍調整の指示を受け、開幕一軍メンバーから外れることが明らかとなった。

 現役最多2171安打を誇る球界屈指の安打製造機だが、昨季は打率.256と苦しみ、一昨年も.242とらしくない数字が並んでいる。節目のプロ20年目、このままでは終われない。ここからの逆襲に期待したいところだ。
 

 同じ「ベテラン」で見ると、通算152ホールド・163セーブの実績を誇るオリックスの増井浩俊も開幕一軍メンバーから外れている。

 昨季は一軍で53試合に登板したが、1勝4敗18セーブ・14ホールド、防御率4.83と苦戦。続々と若い力が芽を出してきたこともあり、開幕は二軍で迎えることとなった。

 それでも、チームは開幕戦でリリーフ陣が打ち込まれて大敗。この状況が続くようであれば、増井に声がかかる日もそう遠くないだろう。問題はその時に準備ができているか。経験豊富な右腕の復調が待たれる。


 ほかにも、ヤクルトでは五十嵐亮太や、西武では松坂大輔に内海哲也といった実績豊富な面々が二軍に。シーズンを通しての活躍は難しいかもしれないが、“ここ一番”という勝負どころで頼りになるのがベテラン。

 “その時”が来るまでファームで調整を続ける男たちに注目だ。


実力者や期待の若手も…


 中堅どころでは、広島の野村祐輔の名前も。

 明治大から2011年のドラフト1位で広島に入団すると、プロ1年目から先発の一角として活躍。2016年には最多勝と最高勝率の二冠に輝いたが、ここ数年は精彩を欠くシーンも目につく。

 復活を目指す今季も、キャンプ中にふくらはぎを痛めた影響から出遅れ。6月にファームで実戦復帰を果たしたものの、開幕には間に合わなかった。


 プロ1年目から好スタートを切った選手と言えば、阪神の藤浪晋太郎もその一人。

 ルーキーイヤーから3年連続で2ケタ勝利を挙げるなど、虎のエースへの階段を着実に登っていたが、2016年頃から調子を落とし、昨年は一軍登板わずか1試合。苦しい戦いを強いられている。

 今季も新型コロナウイルスに感染するなど、出だしから思うように歩みを進めることができていないが、二軍でチャンスを掴み、復活のキッカケを掴むことができるだろうか。


 また、ロッテの佐々木朗希やヤクルトの奥川恭伸、阪神の西純矢といった昨秋のドラフトを盛り上げた高卒ルーキーも、まずは二軍からのスタートとなる。

 佐々木は練習で160キロ超えを連発して話題を集め、奥川も出遅れがありながら実戦に向けて日々前進中。西はすでに実戦で登板を果たすなど、歩みは三者三様だが、その能力は多くの解説者が「1年目から出番があるかも」と言うように折り紙付き。

 果たして、今季中の一軍デビューは見られるのか。こちらも注目だ。


文=中田ボンベ@dcp

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