ニュース 2020.07.02. 15:01

延長10回で同点時でも勝ちパターン継投増 中継ぎ投手が最多勝の可能性も!?

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DeNAのスペンサー・パットン

先攻ソフトB、同点の8回からモイネロ&森投入


 新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕が6月19日にまでズレ込んだプロ野球。無観客で幕を開けた異例のシーズンは早くも約10分の1を消化した。

 今季は交流戦が中止となり、リーグ戦のみの120試合制。延長は10回までで、パ・リーグでは感染リスクを抑えるため同一カード6連戦が組まれるなど、例年とは異なる特別ルールが多く採用されている。

 延長10回の影響で今季は引き分けが多くなると予想され、実際に5対5だった6月25日の巨人-広島戦(東京ドーム)、1対1だった6月30日の日本ハム-ソフトバンク戦(札幌ドーム)と、すでに両リーグで特例引き分けが発生した。

 投手継投にも、例年とは異なるパターンが見られる。上述した6月30日の日本ハム-ソフトバンク戦では、1-1の8回から、日本ハムが宮西&秋吉、ソフトバンクはモイネロ&森の必勝リレーを投入。後攻めの日本ハムが勝ちパターンに託すのは従来のセオリーとも言えるが、先攻のソフトバンクが同点時に必勝パターンを投入するシーンは、例年のシーズンではあまり見られない光景だった。

 同点時ではなかったものの、7月1日の巨人-DeNA戦(東京ドーム)では、1点ビハインドのDeNAが7回裏に、巨人・坂本を打席に迎えたとろこでパットンを投入。助っ人右腕が坂本を空振り三振に仕留め1点ビハインドを保つと、直後の8回表、DeNAは3番・オースティンの3点適時三塁打で逆転。5-3で勝利を収めた。ラミレス監督はパットン投入について「流れを渡さなければ、必ずこちらに流れがきて点が取れると思った。期待通り」とコメント。狙い通り逆転劇を呼び込み、巨人との首位攻防3連戦を1勝1敗のタイに戻した。

DeNA・パットン、ロッテ・ハーマンがリーグ1位タイの2勝


 中継ぎを惜しみなくつぎ込める背景にも今季の特例が大きく関係している。過密日程での選手負担を考慮し、今季は出場選手登録が29人から31人(外国人は最大5人)、ベンチ入り登録も25人から26人(外国人枠は4)に拡大。ここまでの傾向を見ると各球団とも投手登録の数を増やし、開幕ダッシュに成功したロッテ、楽天、DeNAなどは、ベンチ登録の際に助っ人リリーフ投手をこまめに入れ替えながらブルペン陣に厚みをもたせている。

 また、延長が最大10回までになったことで、従来の11回、12回を見据える必要がない。要は、バックアップの心配が少なく結末が見えやすい状況。力のあるリリーフ投手をガンガン投入できる要素が多い。

 よって今季の試合終盤は、1日の巨人戦でラミレス監督が選択したように、リードした状況のみならず、同点時、僅差のビハインド時でも、勝ちパターンの投手を投入するシーンが多くなるかもしれない。勝ち切れなかったとしても引き分けならOK。だからこそ、ベンチワークがより重要になるとも言える。

 さらに、勝ちパターンの投手がリード時に限らず僅差の場面で登板する機会が増えれば、おのずと勝敗に直結する可能性が増す。1日現在、両リーグ勝利数トップ投手の顔ぶれを見ると、各球団の先発ローテーション投手と並び、救援のパットン(DeNA)とハーマン(ロッテ)も最多の2勝をマークしている。

 今季は6連戦続きで先発は基本的に週1回の登板だが、互いに勝ち試合でも腕を振るパットンとハーマンは、ともに試合数の半分ペースでリリーフ登板中。両助っ人右腕に限らず、救援投手の働きがより重要になりそうな異例の2020年シーズン。中継ぎ投手が最多勝を獲得する可能性も十分にある。

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