頼もしさ増した若き4番
一時はセ・リーグ首位に立つなど好調なヤクルト。15日の阪神戦(甲子園)は4番の村上宗隆内野手(20)が決勝打を含む2安打3打点を記録し9-5で勝利した。
村上は初回、阪神先発・ガルシアから先制の右前適時打をマーク。これで12日の巨人戦(ほっと神戸)から3試合連続となる先制適時打を記録した。4-4の同点で迎えた7回は、一死満塁の好機で救援左腕の能見と対峙。打席途中、虎党の大声で試合がストップするハプニングもあったが、村上は動じることなく中前へ勝ち越しの2点適時打を放ち、盛り上がる三塁ベンチに向かって力強いガッツポーズを作った。
ヒーローインタビューでは「常にチャンスで回ってくるので、前を打つ先輩方に感謝しています」と上位陣にお礼。打撃好調の要因については「去年143試合に出させていただいて、その経験が大きいと思います」と話した。
14日の阪神戦(甲子園)では1点を追う6回、無死一塁の場面で阪神先発・秋山と対戦。6球目のフォークを打ち損じ二ゴロ併殺に倒れると、自らのミスショットに対し怒りを露わにした。この試合、ヤクルトは3-6で敗れ連勝は『4』でストップ。4番として悔しさの残る試合だったが、翌日にしっかりやり返した。
昨季の対左腕打率.198、今季はここまで.367!
高卒2年目の昨季、10代の最多記録を塗り替える36本塁打、96打点をマークし新人王に輝いた背番号55。今シーズンは開幕からここまで全試合でスタメン4番を務め、打率.367、出塁率.457、3本塁打、24打点、OPS(出塁率+長打率)1.039の堂々たる成績を残している。
本塁打こそ3発にとどまっているものの、出塁率と打点数は15日の時点でリーグ1位。打率も同2位で、得点圏打率は.462と勝負強さが打点数に直結している。
昨季は左投手に対する打率が.198と2割を切っていたが、今季はここまで.367を記録。上述した15日の阪神戦の適時打もガルシアと能見の両左腕から放ったもので、左投手に対する対応力向上が数字に表れている。
ヤクルトは1番を務める坂口が、ここまで打率.295、出塁率427と復活。新キャプテンの3番・青木も打率.296、出塁率.390と期待通りの働きをしている。今季は2番に入る山田哲は打率こそ.211だが、出塁率は.341でチームトップの5盗塁を記録。村上の「常にチャンスで回ってくる」との言葉も納得だ。
自身の成長もあり、チームを好スタートに導いた若き大砲。今季は120試合制の短縮シーズンだが、打撃成績の各部門で自己記録を更新しそうな勢いだ。