NPB現役でプレーする松坂世代は5人
プロキャリアをスタートさせた西武に復帰し、新たなスタートを切ろうとしていた松坂大輔が今月5日に脊椎内視鏡頸椎手術を決断。頸部の痛みと右手のしびれを軽減するための手術で、復帰はシーズン終盤となる見込みだ。今年の9月で40歳となる松坂だが、復活へ向けて苦境に立たされた。
その松坂と同学年となる、いわゆる「松坂世代」(1980年4月2日〜1981年4月1日生まれ)の選手たちでNPBの球団に所属している選手は現在、和田毅(ソフトバンク)、藤川球児(阪神)、久保裕也(楽天)、渡辺直人(楽天/コーチ兼任)、そして松坂の合計5人。そんな松坂世代のひとり、久保が30日の試合で今季初登板で初白星を手にした。
久保は二軍での調整を経て今月29日に今季はじめて一軍に昇格。同日の試合では出番がなかったが、30日のロッテ戦の5回二死一塁という状況で、先発・弓削隼人の後を受けてマウンドへ。打者ひとりとの対戦だったが、同日に本塁打を記録しているマーティンを投ゴロに仕留め、1点ビハインドという状況を守ったことが逆転勝ちと初白星の素地となった。
また、昨シーズンは故障もあり12試合の登板で57.2回しか投げることができず4勝(4敗)にとどまった和田は、開幕ローテーションに入り、ここまで6試合の登板で無傷の3勝、防御率3.58,さらにはクオリティースタートが4回と、ここまでは先発としての役割を果たしている。
7月15日に2勝目を挙げたあとには、苦しむ松坂に対し「自分が肩を痛めたときに、(松坂が)中日で投げていた姿を見て励まされた。今回はその逆じゃないけど、少しでもそう思ってもらえたら」と激励のメッセージを送った左腕が気を吐いている。
一軍復帰の藤川も白星
和田がしっかりと戦力になっている一方で、阪神の守護神として期待されていた藤川は思うようなピッチングができず、2セーブをマークしたものの、7月12日に右肩のコンディション不良を理由に登録を抹消された。その後、二軍での登板(1試合)を経て23日に一軍再昇格。復帰後すぐにビハインドゲームの8回を任され、二死二三塁のピンチを背負ったが、會澤から三振を奪って切り抜けた。
さらに、26日の中日戦も1点を追うビハインドゲームの7回に登板。先頭打者に四球を与えたが、後続をしっかりと仕留めると、直後に味方打線が逆転に成功し、今季の初白星を手にした。日米通算250セーブまであと「5」としており、指揮官もゆくゆくは最後を任せたい考えを示唆。守護神への返り咲きを目指して右腕は腕を振っていく。
楽天コンビの一角、渡辺は開幕一軍入りを果たしたものの、出番はないまま6月25日に登録抹消。現在は兼任する打撃コーチとして上位に位置するチームをサポートしている。
長らくプロ野球界を牽引してきた松坂世代も、今シーズンNPBで現役としてプレーしているのはたったの5人。そのうち松坂を除く4人は、それぞれの立場で一軍の戦力になるべく奮闘している。
それだけに、横浜高校時代からトップランナーとして、この世代を引っ張ってきた松坂の復活にかかる期待は大きい。多くの野球ファンも、シーズン終盤に西武のユニフォームを身にまとった松坂がマウンドに立つ日を待ちわびているはずだ。
<松坂世代の2020年一軍成績>
▼ 松坂大輔(西武)
・出場なし
▼ 和田毅(ソフトバンク)
・6試合(32.2回) 3勝0敗 防御率3.58
▼ 藤川球児(阪神)
・7試合(6回) 1勝2敗2セーブ 防御率10.50
▼ 久保裕也(楽天)
・1試合(0.1回) 1勝0敗 防御率0.00
▼ 渡辺直人(楽天/コーチ兼任)
・出場なし