楽天・和田恋に初被弾で初失点
ヤクルトの奥川恭伸投手(19)は20日、ウェルファムフーズ森林どりスタジアム泉で行われている楽天とのイースタン・リーグ公式戦に先発登板。今季4度目のマウンドは、プロ最長となる3回途中までを投げて3失点という結果だった。
星稜高から2019年のドラフト1位で入団したゴールデンルーキー。6月20日(土)のイースタン開幕戦でデビューを果たすと、ここまで3試合・4イニングを投げて防御率0.00。キャンプの時には故障などの不安があった中、新型コロナ感染拡大のための自粛期間を乗り越え、順調な1年目のスタートを切っている。
しかし、この日は先頭の田中和基を打ち取ったものの、続く村林一輝には上手く右に運ばれる安打。一死一塁となり、ここで昨夏の甲子園で死闘を演じた智辯和歌山出身・黒川史陽との“同級生対決”が実現する。
大きな注目を集めた対決は二ゴロで奥川が勝利も、二死となって迎えた4番の和田恋に甘く入ったボールを右へ弾き返され、打球はそのままオーバーフェンス。プロ初被弾により、はじめての失点を記録した。
2回も先頭の渡邊佳明に二塁打を浴び、石原彪にも安打でつながれる苦しい展開。それでも、岩見雅紀は遊ゴロ併殺に斬り、1点こそ失ったものの、狙い通りの投球に笑顔を見せるシーンも。9番の中村和希は武器である速球で空振り三振に仕留め、2回を3失点でまとめた。
さらに、この日は3回も続投。プロ入り後最長となるマウンドへ。ここも先頭の田中に安打を許して走者を背負うと、村林が犠打で送って黒川と2度目の対決。二塁走者が還れば勝ち越しというピンチだったが、ここは変化球を振らせて空振りの三振。キレ味するどい変化球に黒川は必死でバットを止めたものの、判定はスイング。狙い通りの三振で2個目のアウトを取ったところで、交代を告げられた。
この日はプロ最長となる2回と2/3を投げて3失点。一発を含む被安打5とこれまでで最も打たれたものの、随所で狙い通りの投球を見せ、手ごたえを感じたような表情も見せていた。
降板後もすぐにブルペンに向かい、小野寺力コーチとなにやら会話を交わすシーンも。最長のイニング、初の被弾、初の失点、すべてが今後への糧となる。燕の未来を担う背番号11に、引き続き注目だ。
文=尾崎直也