7回途中1失点の好投
ロッテの小島和哉が、昨季2試合に登板して0勝2敗、防御率15.63と悔しい結果に終わったメットライフドームでの西武戦で、“リベンジ”を果たした。
ルーキーイヤーの昨季、プロ初登板・初先発となった4月4日の西武戦(メットライフ)で、「オープン戦とレギュラーシーズン、一軍と二軍は全然違う」と2回を投げて7安打、4四球、8失点とホロ苦いデビューとなった。
ファームではゾーンで勝負していける意識で真っ直ぐの精度を磨き、同年7月17日の西武戦(メットライフ)の先発マウンドにあがった。4回まで無失点に抑えていたが、1-0の5回無死満塁で、秋山翔吾(現レッズ)を2ボール2ストライクから外角いっぱいのストレートをボールと判定されると、その後、ライト前に逆転の2点適時打。さらに、外崎修汰に2点適時三塁打を浴び、4回1/3を投げて4失点で敗戦投手となった。
あれから1年——。公式戦では昨年7月17日以来となるメットライフドームの先発マウンドにあがった小島は、先頭の鈴木将平にレフト前に二塁打を打たれると、続く源田壮亮に2ボールからの3球目に送りバントを決められた。3番・外崎に四球を与え、立ち上がりは制球に苦しみ、間合いが長くなっている印象だった。
ここをなんとしても“0”に抑えたい場面で、4番・山川穂高が放った三塁ベンチ前に飛んだフライを捕手・柿沼友哉がスライディングキャッチ。5番・森友哉を三邪飛に抑え、ピンチを脱した。
2回には一死一塁からスパンジェンバーグがレフトへ放った打球を、レフト・菅野剛士がダイビングキャッチ。守備陣が小島をもり立てた。小島も尻上がりに調子を上げていき、4回と5回は連続で三者凡退に抑えた。
2-0の6回は二塁打と死球で一、二塁と一発が出れば逆転のピンチを招くも、森をスライダーでダブルプレーに仕留めた。7回にスパンジェンバーグの内野ゴロの間に失点したが、6回2/3を投げ5安打1失点で今季2勝目を手にした。
課題にしている左打者に対しても、初回に鈴木、2回に栗山に安打を許したが、3回以降はアウトコースを中心にした攻めで左打者に1本も安打を打たれなかった。ピンチを作りながらも要所を締め、この1年で成長した姿をしっかりと見せつけた。
同級生対決
この日はメットライフドームの西武打線との対戦だけでなく、同学年の高橋光成と初めての投げ合いとなった。
小島が浦和学院高で13年春の選抜優勝投手、前橋育英高の高橋光は同年夏の甲子園優勝投手。同学年の“甲子園優勝投手”同士による投げ合いだった。
プロ入り直後の取材で小島は、「個人的には、(高卒で)プロに行きたいという気持ちはありましたが、自分が高3のときに安楽、高橋光成などと比べると、能力がある方ではなかったです。4年間で“柱”をしっかり作って、プロに行くため、自分を確立するために大学に進学しました」と、早稲田大学で心技体を磨いた。
小島が早稲田大で汗を流している間に、先にプロ入りした高橋光成は1年目の8月に月間4勝を挙げ、同月の月間MVPを獲得。2年目には118イニングを投げた。
高卒組に負けじと大学の4年間で成長を遂げた小島は、18年にロッテからドラフト3位で指名されプロ入り。「同じ4年間をプロで過ごしている同期もいるので、そこは自分も負けずに頑張りたい」と意気込んだプロ1年目は、シーズン後半からローテーションに入り3勝を挙げた。
春季キャンプ中に「昨年の経験を生かして、1年間投げることを目標にして頑張りたい」と話していた2年目の今季は、開幕から先発ローテーション入り。マリーンズは先発左腕が手薄なだけに、小島にかかる期待は大きい。
文=岩下雄太