ニュース 2020.07.23. 14:05

野球好き必携!新作「パワプロ2020」はココがすごい!

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7月9日に最新作のパワプロが発売




 野球ゲームの金字塔「実況パワフルプロ野球」シリーズ。7月9日、最新作「eBASEBALLパワフルプロ野球2020」(以下、「パワプロ2020」)がPlayStation4とNintendo Switchにて同時発売された。

 今回は関係者のインタビューを通じて、「パワプロ2020」の開発の舞台裏や、ゲームが苦手な野球ファンでも楽しむヒントをお届けする。「パワプロ2020」プロデューサーである森博信氏、「パワプロ」シリーズエグゼクティブディレクターの谷渕弘氏(ともにコナミデジタルエンタテインメント)に発売日当日、リモート取材を行った。
(聞き手・文 清水久嗣)

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴いプロ野球は3か月遅れの開幕となったが、「パワプロ2020」は当初の予定通りの発売となった。ただ、新型コロナの影響は開発にも少なからず影響があったと森氏は語る。

 「お待ちいただいているファンの皆様がいるので何とか開発をしてきました。いわゆるテレワークでの初の開発となりましたが、効率や進捗を損ねないように、打ち合わせや連携を密にしながら進めていきました。そういう部分では少し大変だったかなと思います」

 困難な状況の中、無事に発売日を迎えられたことについては、「皆さんが喜んでいただける声があがってくればホッとするかなと(笑)発売日の午前0時を待ってプレイや配信していただいたお客様もいてありがたかったです。皆さんで一緒にカウントダウンする感覚を我々も味わっていました」と少し頬が緩んだ。

 一方の谷渕氏も発売日を迎え、「とりあえず、オンラインが無事で良かったです。我々も当然テストはしていますが、発売日のオンライン環境というのは実際、ユーザーにアクセスしてプレイしていただかないとわからないもので。こればっかりはドキドキしますね」とこちらは少しホッとした様子だった。

オリンピックモードを搭載






 「パワプロ2020」は迫力のある実況、2頭身のパワプロクンがリアルに躍動し野球を楽しむことができる従来の「対戦」のほか、様々なモードが存在する。選手を育てる【サクセス】や一人の野球選手の人生が楽しめる【マイライフ】をはじめ、代表チームや選手になって金メダルを目指す【東京2020オリンピック】モードなど12種類にも及び、シリーズ最大級のボリュームに。

 新たなモードで目玉のひとつといえば【東京2020オリンピック】モードだろう。残念ながら東京オリンピックは来夏に延期となってしまったが、森氏は「本来開催されるはずだったオリンピック・野球を、野球コンテンツにかかわる一員として我々も一緒に盛り上げたいという気持ちがあり、その公式感をゲームでも味わっていただければと思い搭載させていただきました」と新モード誕生への思いを語る。

 「来年に向けた思いを馳せながら、楽しんでいただければと思います。自分が日本代表の選手となり、ほかの代表選手たちと一緒に金メダルを目指して戦うことができますよ。」と聞いただけでもワクワクするこの新モード。

 筆者もプレイ解禁の0時、いの一番でプレイしたのが【東京2020オリンピック】モードだった。日本代表でリーグ戦やトーナメントを戦い、“予選は坂本選手”・“トーナメントは吉田正尚選手”と試合ごとにプレイする選手を使い分けながら楽しむことができ、ミスが許されない1球1球の緊張感は国際大会そのもの。会場の横浜スタジアムや福島県営あづま球場もバッチリ再現されており、予選から決勝トーナメントまで本番と同じ舞台・レギュレーションで進んでいく様は、まさに来年のシミュレーションをしているようで実に楽しい。


ペナントモードに新要素




 新しいモードのほかに従来のモードにも改良点がある。好きなプロ野球チームを運営し、プレイして日本一を目指す定番の【ペナント】モード。ここではゲーム初心者の野球好きでも楽しめる新要素を森氏が教えてくれた。

 森氏「1年ごとにプレイする球団を変更できるようになりました。例えばプロ野球でも名監督は球団を変えて名采配を振るう方もいらっしゃいますよね?(ゲーム内の)30年を遊べるモードですので、これにより“監督采配”プレイで自分が育て上げた球団を今度は別の球団からどうやって倒そう?なんていう遊び方もできるようになりました。プレイせず“観戦”プレイにして試合結果だけをチェックすることもできます。好きな遊び方を試してほしいですね」

 【ペナント】モードでは全試合、フルイニング、選手を操作することもできるが、試合の打つ・投げるという操作が難しく感じる人でもおススメなのが“監督采配”プレイだ。試合中、逐一簡単な操作で選手たちに指示を送ることができる。かつての野村監督や星野監督のように優勝請負監督としてチームを渡り歩き、いつか自分の教え子たちが「パワプロ2020」のペナント世界の中でプロ野球界を引っ張る存在になるかもしれない。そのほかドラフト会議や契約更改も行うことができるので、GM気分も味わうことができる。

 森氏「何年も繰り返す中で、自分がドラフトで取った選手を一覧で見ることもできるので、選手たちがその後どのように活躍したかなども、ペナントで年を重ねる際に出てくる楽しみだと思います」と、その楽しみ方は実に多角的だ。

LIVEシナリオモードはショウアップナイターリスナーにおススメ




 そのほかに森氏は、野球が大好きなショウアップナイターリスナーに向けて【LIVEシナリオ】モードをおススメしてくれた。

 この【LIVEシナリオ】モードは「実際のプロ野球と毎日連動して、その試合のターニングポイント(試合の勝敗を分けた場面や注目シーン)を遊ぶことができます。シーンを再現しながら振り返ることもできますし、『あそこ1本出ていれば』というシーンでも自分の手で負け試合をひっくり返すこともできます。」というもの。

 即日のうちに最新試合のシナリオが配信されるので、きょうの野球のハイライトをプレイしながら確認したい方や、勝ったチームのファンは余韻に浸ることもできれば、負けたチームのファンは悔しさを晴らすこともできる。何より私を含めショウアップナイターのアナウンサー・ディレクターには中継資料を作る感覚でプレイすることをおススメしたい(笑)

 操作が苦手な方でも「レベル(難易度)の調整もできる」から安心だ。7月10日にサヨナラHRが出た3試合(中日・ビシエド選手、ソフトバンク・柳田選手、オリックス・ロドリゲス選手)は、いずれもお題が【サヨナラHRで試合を決めろ】だった。プレイは上手くない私でも難易度を調整しながら全ての試合でサヨナラHRを打つことができ、プレイした人にしかわからない爽快感があった。

 「公式戦の全試合を配信する予定です。気になるチームだけプレイといった遊び方もできます。(森氏)」ということで、今季は合計1400試合以上のシナリオが配信予定の【LIVEシナリオ】モード。そのボリュームは文句なしだ。

リアルさを追求した固有モーション




 もちろんパワプロの核となる野球シーンでは、さらにリアルを追求している。見ているだけで楽しいのは新作が出るたびに更新される選手の固有モーションだ。HRを打った後の西武・山川選手の「どすこいパフォーマンス」やロッテ・レアード選手の「寿司ポーズ」も新たに再現。さらに巨人・菅野投手の新投球モーションや、ヤクルト・村上選手のバットを揺らす打撃フォームなどなど…2頭身のパワプロクンなのに細かい部分まで再現されている。

 「毎作、プロ野球のパフォーマンスや新しいフォームで特徴的なものは取り入れたいと思いながら進めています。実際にパワプロクンで表現したときに、感激のシーンをより楽しんでもらえると良いなぁと思っていますので、こちらとしてもどんどん追加しています!」と教えてくれた森氏だが、いったいどれくらいの固有モーションがあるかと尋ねれば「探し出してください(笑)」とのこと。自分の野球知識とすり合わせながら、プレイしていて気づく楽しみもあるはずだ。

 そのほか昨年、阪神のセットアッパー・ジョンソン投手の使っていたパワーカーブや、西武のニール投手のシンキングツーシームなどトレンドとなっている新しい変化球も収録し、より再現度が増した戦いが楽しめる。

eBASEBALLプロリーグ




 さて“戦い”といえば、今回は「“実況”パワフルプロ野球」ではなく、プロ野球のeスポーツリーグ「eBASEBALLプロリーグ」のeBASEBALLが冠についているのも大きな変化だ。

 「eBASEBALLプロリーグ」はNPB(日本野球機構)とKONAMIが共同で開催するプロ野球のeスポーツリーグのこと。パワプロ2020発売前の7月7日に3年目となる新シーズンが発表された。使用タイトルはもちろん「パワプロ2020」だ。



 「eBASEBALL プロリーグ」の立ち上げから関わりeBASEBALLプロリーグ統括プロデューサーでもある谷渕弘氏はこの2年を振り返り、「おかげさまで沢山の人に見ていただき、まだまだと思える部分はありましたが、認知は広がっていると感じました。」と手応えを口にした。

 しかし、ここに来て新型コロナウイルスによるイベント自粛の影響をもろに受けてしまう。「3年目は『こうしよう!』と思っていたところで、ほとんどひっくり返りました。前回まではお客さんの前で行う“ライブイベント”でしたから…」と悔しさをにじませる。

 それでも、この逆境を力に変えたのも「eBASEBALLプロリーグ」だった。プロ野球の2020シーズンを待っているファンに向けNPBは「プロ野球“バーチャル”開幕戦」を、そして中止になってしまった交流戦を「日本生命 “バーチャル”セ・パ交流戦」として企画。昨シーズン白熱の試合を演じた各球団代表のeBASEBALLプロプレイヤー達が、実際に予定されていたカードで対戦した。

 「プロ野球開幕も延期になったからこそ、eスポーツだからこそできる“バーチャル開幕戦”や“バーチャル交流戦”をやろうと。おかげさまで速く関係各所の協力も賜り、これまでのシーズンのように生放送ではなく、収録や疑似生放送、リモートで対戦など、違う方法で行うことができました。もともと我々は“スポーツはライブ”というところに重きを置いていましたが、“バーチャル〇〇”は全く違う観点での収録となり、たくさんの方に見ていただきました。」と新たな手ごたえを感じたという谷渕氏。

 「去年と同じやり方はできないですが、プロリーグはチーム戦で高校野球のような熱いものがありますし、スポーツと同じように筋書きのないドラマがありました。こういったものは「eBASEBALL_プロリーグ」で無くしたくないと思っています」



 「パワプロ2020」が採用された「eBASEBALLプロリーグ」の新シーズンについて谷渕氏は「3年目は大切だと思っていたところで、新型コロナウイルスの影響で大きく方向転換せざるを得なくなってしまいました。ただ、バーチャル開幕戦や交流戦で新たな観点がみつかり、我々の考え方も変わりましたし、次につながる新たなエンターテイメントの可能性をお見せできるように、いまは検討を重ねているところです」と新しく、進化した「eBASEBALLプロリーグ」が期待できるコメントを戴いた。どのような形になったとしても、プロプレイヤーたちのレベルの高い戦いが繰り広げられることは間違いない。詳細は7月下旬以降に発表、プロテストは8月下旬に実施予定という新シーズン。熱い戦いに注目したい。

 最後に「パワプロ2020」プロデューサー森博信氏からみなさんへメッセージをいただいた。

 「今作はシリーズ最大級のボリュームで、新モードの「東京2020オリンピック」をはじめオンラインでもオフラインでも楽しんでいただけるものとなっています。野球が好きな方にもLIVEシナリオやペナントの観戦や監督モードなどもありますし、1人でも2人でも好きなだけ野球が楽しめるものとなっていますので、ぜひプレイしてみてください」

 この1本で実際のプロ野球シーズン中でも、シーズンが終わったあとでも楽しめる、まさに野球漬けになれる1本であることは間違いない。操作が苦手な方でも十分楽しめる内容となっており、おうちでも野球を楽しみたい!そんなあなたにぴったりの「eBASEBALLパワフルプロ野球2020」。最後に、筆者も前作に引き続きゲーム内の実況アナウンサーとして参加している(ゲーム内ポイントで解放可能)。ぜひ解放して“ショウアップナイターっぽいパワプロ”も、ぜひお楽しみいただければ幸いだ。
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