2020.07.26 18:00 | ||||
横浜DeNAベイスターズ | 6 | 終了 | 10 | 広島東洋カープ |
横浜 |
先発・平良が完全覚醒も…
カード3連勝を目論むベイスターズの先発は、セ・リーグ防御率トップの右腕エース平良拳太郎。1、2回は逆球もありピンチもあったが何とか踏ん張ると、2回裏にソトの26打席ぶりとなる2点タイムリーで先制。さらにランナーを2人溜めて打席に入った梶谷隆幸の3ランで大量5点を挙げ、5回にはタイラー・オースティンのバックスクリーン直撃弾で加点し、平良を援護した。
大量援護を受けた平良は、オースティンの好守備や良い当たりがシフトにハマったこともあり調子を取り戻すと、無失点のまま8回のマウンドへ。しかし突然降り出した雨の影響もあったのか、先頭の西川、続く安部に連続二塁打を許して1失点。3番・ピレラにもレフト前のヒットでつながれたが、4番の鈴木誠也を渾身のストレートで見逃しの三振に仕留めたところで降板となった。
平良は7回1/3を被安打7、与四球2、奪三振8という安定した内容だったが、 ラミレス監督は「松山のところに石田、堂林のところでパットン」というプラン通りの継投を見せる。松山の犠飛までは想定の範囲内だったが、後を受けたパットンが乱調。堂林、會澤の連続ホームランで1点差に詰め寄られてしまう。
さらに1点差で最終回を託した山﨑康晃も乱調。安部にヒット、ピレラに四球、鈴木誠也に適時打で同点に追いつかれると、一死満塁で迎えた會澤に右翼席に運ばれて「6-10」に。最終回、ホームランが出れば同点という見せ場は作ったが得点を奪うことはできず、借金生活に逆戻りとなった。
流れを変えられるか?!
試合後、指揮官は継投について「平良は7回で90球程度しか投げていなかったので行かせた。もちろん念のため、石田やリリーフも用意した」と説明。しかし結果は伴わず、「信頼しているパットン、山﨑康晃が打たれたので仕方ない。これも野球のひとつ」と信念を貫いた。
「平良は素晴らしい働き、ソトはスランプ脱出の兆しが見えたし、オースティンはホームランも守備も素晴らしい」と悪い面だけではなかったことを強調。また、「山崎康晃は前回は3者凡退に抑えて非常に良かった。今日は残念な結果だったが、明日は休みなので切り替えて、火曜日からまたやってもらいたい」と前を向いた。
相手のエラーに乗じて得点し、流れを渡さない平良のピッチングに好守備など、7回までは完璧な試合運びだった。それだけに、常日頃からラミレス監督が口にする「野球は流れ」が継投によって変ってしまったのは皮肉な話だ。
タイミング悪く降り出した雨は試合後も止むことはなく、帰路に着くベイスターズファンを冷たく濡らし続けた。この屈辱は火曜日から、1勝5敗とカモにされているジャイアンツ相手に晴らすしかない。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)