2020.08.02 14:00 | ||||
読売ジャイアンツ | 2 | 終了 | 9 | 広島東洋カープ |
東京ドーム |
茨城・霞ヶ浦高出身の21歳
広島が8月初勝利を挙げて連敗ストップ。東京ドームで3連敗の危機を救ったのは、佐々岡真司監督も期待を寄せる高卒3年目・21歳の右腕だった。
今季から先発ローテーション入りを果たした遠藤淳志は、7月12日の中日戦でプロ入り後初となる先発としての白星を挙げるも、その後2戦は勝利なし。特に前回登板のDeNA戦は味方の失策が絡んだとはいえ、2回に一気の5失点で悔しいKO。この日はリベンジをかけた登板となった。
主砲・鈴木誠也の2ランで先制点をもらった直後の初回、先頭のヘラルド・パーラはショートへのゴロに打ち取るも、詰まった打球は捕球体制に入った田中広輔の前で微妙にイレギュラー。これがエラーとなり、最初のアウトのはずが無死走者一塁となってしまう。
同じように先頭打者を失策で出し、思い起こされる一週間前の悪夢…。しかし、この日は強い気持ちで悪い流れを断ち切る。
つづく難敵・坂本勇人を1球で三ゴロ併殺に仕留めると、丸佳浩には安打を許したものの、主砲・岡本和真を速球で二飛に斬ってピンチ脱出。立ち上がりを無失点で切り抜ける。
3-0で迎えた2回は、今度は先頭を見逃し三振で打ち取るも、つづく大城卓三には144キロの速球を弾き返され、センターへの手痛い一発。ひと振りで1点を返されてしまった。
それでも、この一発のパンチが若き右腕にスイッチを入れた。
つづく打者を捕邪飛に仕留めると、5回終了まで11人連続でアウト。6回先頭の松原聖弥にひさしぶりの1本を打たれた後も、俊足の走者を背負いながら、1番・パーラからの上位打線を3人斬り。
8回にも二死から松原に安打を浴び、守備の乱れもあってこれが三塁打となるも、パーラには粘られた末に8球目のチェンジアップを振らせて空振り三振。執念でホームは踏ませず、9回のマウンドへと向かう。
プロ初の完投勝利が見えたところ、ここまで完ぺきに封じ込めていた坂本勇人に対してチェンジアップが真ん中へ。ものの見事に弾き返され、2回以来となる失点を喫してしまったが、続く丸のフラフラと舞い上がったフライは、レフトの野間峻祥が無人のエキサイトシートに飛び込みながらのキャッチ。バックの先輩たちが若き右腕を盛り立てる。
一死から4番の岡本も右飛に打ち取り、最後はゼラス・ウィーラーを三飛に打ち取って試合終了。ひとりで9回を投げ抜いて118球、打者32人に対して被安打5、無四球・5奪三振の2失点。しなやかなフォームを最後まで崩さず27個のアウトを集め、チームを同一カード3連敗の危機から救った。
文=尾崎直也