ニュース 2020.08.15. 11:09

今度は先発として一軍の舞台へ…西武のドラ2左腕・浜屋が描く逆襲への道のり

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西武のドラフト2位ルーキー・浜屋将太

CAR3219フィールドで躍動する若獅子たち【第4回:浜屋将太】


 7月15日にリニューアルオープンした、西武の二軍本拠地『CAR3219フィールド』(かーみにーくふぃーるど)。すぐ隣に見えるメットライフドーム、すなわち一軍の舞台での活躍を目指し、若き獅子たちが日々経験を積んでいる。


 小気味良いピッチングで、おもしろいようにアウトに積み重ねていく左腕──。

 8月8日(土)のヤクルト戦。先発したドラフト2位ルーキーの浜屋将太は、6回を投げて被安打1の無失点。三振も6つ奪う圧巻の内容で、まさに試合を“支配”していた。


 「球数を少なくすることを意識していました。80球がメドだったので、7回まで行ければ良かったのですが…」

 そうは言っても、6回を投げて77球。安打と四球がひとつずつで、打者20人から18個のアウトを奪ったのは誰が見ても“好投”だ。

 「序盤はゴロを打たせてアウトを取ることができて、ここは狙い通りでした。ただ、4回に球数が多くなってしまったのが反省です」

 それでも左腕は課題を口にしたが、直球はアベレージで145キロ前後、最速は147キロを計測。175センチ・77キロと投手としては小柄と言ってもいい体格から力強い速球を投げ込み、大きな弧を描く変化球を織り交ぜて相手打者に空を切らせる。先発としての可能性を大いに感じさせるマウンドだった。


先発として、逆襲を期す…


 この日は“天候”も味方した。

 連日厳しい暑さが続く関東地方。特に『CAR3219フィールド』と言えば、晴れた日のファーム中継では実況の声に負けないくらいのけたたましいセミの鳴き声を聞くことができ、ステイホーム中でもスピーカー越しにその暑さを感じることができるのだが、直近の浜屋の登板ゲームはいずれも曇り。

 「そこは良かったですね」。まだ“所沢の夏”を知らないプロ1年目の左腕は、茶目っ気を含ませて笑った。


 今季は開幕一軍入りを果たすも、4試合の登板で勝ち負けなしの防御率9.35。左のリリーフとして期待を受けたが、プロの壁に跳ね返された。

 7月27日に一軍登録を抹消されると、そこから長いイニングを投げられるようシフトチェンジ。思えば、元々開幕が延期となった自粛期間にも、「任せていただいたところで投げたい」と1年目のシーズンに向けた意気込みを語りつつ、個人的な想いとして「小さい時から、先発がかっこいいなと。やっぱり目立ちますからね」と、本音を明かしている。

 迎えたファームでの初戦。8月1日の巨人戦では4回を投げて被安打6、与四死が2で4奪三振の2失点という結果でマウンドを降りたものの、次の登板では同じ“打者20人”で6イニングを投げ切り、しっかりと進歩した姿を見せつけた。慣れも見込める3戦目にどんな投球を見せるのか、期待は膨らんでいく。


 一軍のチームは先発陣が開幕から苦しい状態だけに、いまの安定感ある投球が継続できれば、すぐにメットライフドームのマウンドへと戻ることが叶うだろう。もう一度、その舞台へと返り咲くべく、ファームではウエイトにも注力している。

 「一軍では中継ぎをさせていただきましたが、今は先発で投げさせていただいているので、合間にしっかり身体を鍛えられているというのは大きいと思います」

 一軍でも直球は140キロ後半を計測することはあったが、それは短いイニングでのもの。現在は長いイニングを投げようという中で同じ数字を叩き出すことができており、この感覚は「久しぶりですね」と手ごたえを感じているようだ。


 今の目標は「一軍で先発として活躍する」こと──。

 また、現在のファームには、同じ左腕でプロでの実績豊富な内海哲也や、同郷のヒーローであり憧れの存在だったという榎田大樹がいる。彼らのようなベテランが一軍昇格に向けて汗を流す姿を間近で見られるのも、ルーキーにとっては大きな財産となるに違いない。

 新しくなったライオンズトレーニングセンターで黙々とトレーニングに励み、生まれ変わった『CAR3219フィールド』でその成果を発揮。これを続けていけば、メットライフドームの舞台も近づいてくる。この調子でアピールを続けていくことができるのか、レオの背番号20に引き続き注目だ。


文=尾崎直也
(コメント提供:埼玉西武ライオンズ)

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