2020.08.14 18:00 | ||||
阪神タイガース | 0 | 終了 | 6 | 広島東洋カープ |
京セラD大阪 |
打っては初適時打で2打点
広島のドラフト1位ルーキー・森下暢仁投手(22)は14日、京セラドーム大阪で行われた阪神戦に先発登板。投げては9回を投げ抜いて2安打の無四球完封。打っても自身初の適時打を放って2打点という大車輪の活躍で、チームの連敗を止めた。
立ち上がりから抜群の制球力を武器に凡打の山を築き、2回からは奪三振ショーの幕開け。大山悠輔と梅野隆太郎を三振に斬ると、3回も木浪聖也と投手の藤浪晋太郎から三振を奪取。相手がベンチ前で円陣を組んで臨んできた4回も、1番の近本光司から中谷将大、そしてジェリー・サンズと三者連続の三振斬り。4回を投げて7奪三振、ひとりの走者も許さぬパーフェクトピッチングを展開していく。
5回はジャスティン・ボーアから三振を奪って二死を取った後、梅野にこの日はじめての安打を許したものの、冷静に後続を斬って無失点。変わらぬ安定感を見せつけると、直後の6回表はバットで魅せる。
4-0とリードして迎えた二死二塁の場面。8番の田中広輔というところ、阪神サイドは申告敬遠を選択。二死一・二塁として森下との勝負を選択する。セオリー通りの策ではあったが、森下は真ん中付近やや低めのカットボールを思い切り引っ叩くと、球足の速いゴロが三塁線を突破。打球がフェンスに到達するまでに二者が還り、プロ初打点となる2点適時二塁打で自身を援護した。
そこで塁上に残った影響もなんのその。6回は先頭の植田海から空振りの三振を奪い、この時点ですでに異なる9人の打者から9つの三振をマーク。「先発全員奪三振」を成し遂げると、7回にはゆるいカーブでサンズの意表を突いて見逃し三振。2ケタ・10個目の三振を奪い、7回まで1安打ピッチングを継続する。
8回頭の時点で球数は96。8回は初回以来となる三振0で終わったものの、唯一の安打を許した梅野も含めて3人全員を内野ゴロ。110球で終えると、9回表は先頭打者として打席へ。すなわち、完封をかけた9回のマウンドにも登るということが球場中に知れ渡る。
9回表のチャンスで追加点は生まれなかったが、森下は先頭の代打・糸井嘉男を左邪飛。レフトを守る野間峻祥の好守もあってひとつ目のアウトを取ると、次も代打の福留孝介と難敵が続いた中、最後はインローの148キロでバットを出させずに見逃しの三振。この日11個目の三振を奪う。
あとひとつとなったところ、1番・近本には3ボールとした後にセンターへの安打を浴びたものの、つづく中谷を外のまっすぐで見逃し三振に斬ってゲームセット。27個目のアウトを奪うと、ようやくホッとしたような表情を見せた。
9回を投げて127球、被安打わずかに2、12奪三振で無四球完封の快投。12球団の新人一番乗りで完封勝利を掴み、これで自身4勝目(2敗)。チームの連敗を2でストップした。
文=尾崎直也
▼ 森下暢仁・プロフィール
ポジション:投手
投打:右投右打
身長/体重:180センチ/76キロ
生年月日:1997年8月25日
経歴:大分商高-明治大-広島(19年・1位)
<きょうの投球内容>
・投球回:9回
・投球数:127球
・打 者:29人
・被安打:2本
・与四球:0個
・奪三振:12個
・失 点:0点
<きょうの打撃内容>
1. 捕犠打
2. 空三振
3. 左二(+2)
4. 空三振