ニュース 2020.08.21. 18:06

巨人3試合連続完封の秘密 菅野と戸郷が張り合ったものは?

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【プロ野球巨人対阪神】幕切れ 阪神に3連勝した巨人=2020年8月20 東京ドーム 写真提供:産経新聞社
話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。今回は、8月18日からの阪神3連戦で、3試合連続完封勝利を挙げたジャイアンツ投手陣にまつわるエピソードを取り上げる。

8月20日、東京ドームで行われた巨人-阪神戦。巨人は先発・戸郷が自己最多の11三振を奪う安定感抜群のピッチングを披露。6回2/3を3安打無失点に抑えると、後は高梨-中川-デラロサの盤石リレーで阪神打線を完封。同一カード3連勝で30勝に到達し、貯金を今季(2020年)最多の「13」としました。

この阪神3連戦、初戦(18日)はエース・菅野が今季3度目の完封勝利を挙げ、巨人が1-0で勝利。第2戦(19日)は、先発・メルセデスが上半身(左ヒジ)の不調のため2回で降板するアクシデントがありましたが、後を受けた6人のリリーフ投手が完封リレーを演じ、巨人が8-0で快勝。第3戦も巨人が2-0で勝ち、「同一カード3試合連続完封勝利」を飾ったのです。これは1995年、甲子園球場で阪神相手に記録して以来25年ぶりの快挙でした。

「25年前もあったことですから、勝負の世界というのはそういうこともある。たまたまというところで、我々はまた明日からも気を引き締めて」と、勝って兜の緒を締めた巨人・原監督。3試合、阪神打線に1点も許さなかった投手陣について、こう総括しました。

「最初に1人で投げきった投手(=菅野)がいるとやっぱり大きい。リリーフ陣も、昨日(19日の第2戦)は全部リリーフで行ったようなものだから。投手を中心とした守りというのは、できたと思いますね」

野球は、たとえ打線が10点取ろうが、投手が11点取られたら負ける競技です。逆に言うと、投手が1点もやらなければ、少なくとも負けることはありません。投手が完封したら、打線は1点だけ取れば勝てるのです。それを示してみせたのが初戦の菅野で、原監督が讃えたとおり、これぞエースの働きです。

第2戦、先発・メルセデスが2回で降板した際、ベンチで涙をこぼしたことが話題になりました。菅野が虎の子の1点を1人で守り抜き、チームを救った翌日、後に続けなかった悔しさ、申し訳なさもあったのでしょう。後を受けた6投手はその思いを共有していたからこそ、完封リレーにつながったのです。

第3戦の戸郷も思いは同じで、7回途中で降板しましたが、「少しでも長いイニングを無失点で投げきりたい」という思いが伝わって来るピッチングでした。2日前の菅野の姿が頭にあったのは言うまでもありません。

実はこの阪神3連戦から、原監督は開幕前より温めていたプランを実行に移しました。先発の登板間隔を中6日から「中5日」に移行したのです。菅野もメルセデスも戸郷も、全員中5日で登板。いずれも今季初でした。

開幕からしばらくは先発を中6日のローテーションで回し、頃合いを見て中5日に切り替える、というのが、原監督がキャンプから口にしていた構想です。開幕直後は、選手の疲労も考えて先発投手を6人用意。そのなかから1人を落として、調子のいい5人で回す……「いい投手をできるだけ多く登板させたほうが、より多く勝てる」という考えからです。

今季の特殊な過密日程を考えれば、先発を6人で回したほうが選手の負担は減りますが、その場合どうしても「ローテーションの谷間」が生じてしまいます。試合数が120試合に短縮された今シーズンは、無駄な負けは許されない。ムチを入れるのはいまだ、というのが原監督の判断でした。

阪神戦の初戦、菅野はヒーローインタビューで中5日について聞かれ、こうコメントしました。「中5日ぐらいでヒーヒー言ってたら、先発は務まらないと思うので大丈夫です」……この言葉は、自信の表れであると同時に、他の先発投手たちへの「ハッパ」でもあります。そして戸郷も中5日で投げて勝利。みごとエースに続いてみせました。

戸郷はこの時点(20日現在)で、開幕8連勝の菅野に次ぐ今季6勝目(2敗)。高卒2年目ですが新人王の資格を持っており、4勝を挙げている広島・森下を一歩リードしました。もし高卒選手が新人王を獲得すれば、巨人では83年の槙原寛己以来、37年ぶりとなります。

ところで、勝利数でチーム内ワンツーとなった菅野と戸郷ですが、2人が一緒にキャッチボールをする映像が、8月4日、巨人がYouTubeに開設している公式チャンネルで公開され、話題になりました。21日の時点で、再生数は200万回を突破しています。

その内容はというと……練習中に戸郷が、菅野とのキャッチボールを志願。これに対し菅野が「俺と(キャッチボール)やりたい? やろうか」と応じるシーンから始まります。「遠投できる?」と尋ねた菅野に、戸郷は「できます!」と答えると、何と菅野と100メートル近い距離をとって投球を始めました。凄いのは、戸郷がノーステップで投げた球が高い放物線を描き、しかもなかなか落ちて来ないのです。

「すげえな、アイツの肩!」と驚く菅野。後輩に負けじと、100メートル先の戸郷の胸元にピタリと投げ返し、「でも俺の方がコントロールいいでしょ?」と一言。その後もノーステップで遠投を続ける戸郷に対し、菅野から「お金取れるキャッチボール」という褒め言葉も飛び出しましたが、やがて「俺もノーステップで行こう」と菅野も対抗。本当にタダで観ていいのかな? というハイレベルなキャッチボールが展開します(興味のある方は「エース菅野絶賛!戸郷翔征の『お金が取れるキャッチボール』」で検索を)。

プロの投手の凄さがよくわかるのと同時に、ジャイアンツ投手陣の一体感も伝わって来るこの映像。このキャッチボールにみられるように、エースと若手が互いに刺激し合える環境がつくられていることが、巨人の強さの秘密なのです。

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